猫に食べられた | 認知症の義母と嫁の私

認知症の義母と嫁の私

認知症の義母との話つづります



今日の義母の様子はどうだろぅか?

ピーチャンを失いつらがっているのだろぅか?

それとも…

「お母さん。」

「はい。」

何処かに電話しようとしていたのであろぅ。

「ピーチャンは?どしたん?」

「ピーチャンに外の風にあててやろうと思って餌を入れてる間に入り口が開いてて外にピーチャンが出てしもうたんじゃー。そしたら、二階から猫がポーンと飛んできて丸かじりしたんよ。もー目の前で食べられた。可哀相な事をしたわ。」

「そうか。猫も逃げずに食べたとはええ根性しとるよなー。」

「うん。猫を怒る間もないわ。」

で銀行の事を話しをした。
毎日同じ話しの繰り返しだ。

それは苦にならない。

「ビゲンを頼みたいんじゃけど。6番な。」

「わかった。鯛焼きとフーマン食べた?」

「食べた。おいしかったよ。」

「なら良かった。」

「牛乳とかジュースはある?」

「ジュースはあるけど牛乳はない。」

「わかった。明日買うてくるから。」

「うん。お願いな。」

で叉銀行の話に戻った。

銀行の口座の事、生命保険の事、年金の事。

義母の弟さんの話になった。

「私の事が心配じゃなくて自分のメンツの事しか考えてないよ。自分が迷惑かけられたくないだけじゃ。」
淋しい話をはじめた。

私は弟さんの話は余り聞きたくないし、言いたくない。

「哀れなもんよなー。パートなんか。いきなりはいクビ。こんなもんよ。」

うなずくしか出来ない私。
「冷たいよ。」

言葉に出来ない。

「お母さん、指で描いた絵良かったよ。」

「指でかいたかなー。」

「毎日筆忘れとんよ。ボケとんじゃろーか?私。検査して貰おうか。」

義母は大笑いした。

「光ちゃん。やりすぎじゃ。検査してもらわんでもええわ。」

「お母さんは働いとったからいいけど私、動くのに規制がかかるし。」

「そうか。」

そんな話を続けた。

今を越えないと…

明日は来るし。毎日を大事に生きないと。