病室に入ると、カカがK療法士に手伝ってもらいながら
リハビリ室に向かう準備をしていた。
「よっ!今からね?」と声をかけた、トトの顔を見たとたん
K療法士を指さしながら泣きべそかいて、ウ~!ウ~!と訴える。
「ん?どーした?」と苦笑しながら尋ねると
「障害者認定の申請書類に必要なんで
手足の可動域を調べるのにストレッチやってたんですけど
痛いもんだから、アタシのこと恨んでらっしゃるんです(笑)」との事。
まるで子供が親に告げ口するみたいに言うもんだから
「アッハッハ!そーか、そーか。タロにKさんをやっつけて欲しかったと?」
と聴くと、ウンウンウン(笑)。
「そーはいかんよ。Kさん、カカの事一生懸命考えてくれて
カラダが動くように手伝ってくれよるっちゃろ?」
……コクン……とうなづく。
「じゃあ、カカの味方やけん、タロはやっつけられんなー。そーやろ?」
ぶすーっとして、ウンとうなづく。
「よしっ、じゃ、頑張ってリハビリしにいこう!今日はタロも見学していい?」
すると、ニッコリ笑って、大きくウン。
そして、いざ出陣。
最近は4階の病室から2階のリハビリ室まで、自分で床をけりけりしながら向かう。
ぶつかる頻度も随分少なくはなったが
壁まであと2センチ…という、きわどいターンもやってくれる(笑)。
時々、引っかかって動きようがなくなると
今まではウ~~~と泣いて訴えていたが
最近〝バックして切り返す〟というワザを教えてもらったらしく
泣かずに練習しているらしい。
それでも面倒な時は、ガシガシ進もうとして、Kさんを慌てさせている。
今日もエレベーターを降りてすぐの柱に真正面からぶつかり
車椅子が止まってもなお、押し進もうとしていた。
「それはムリ!いくらなんでもムリ!」と、軌道修正してもらっていたが。
哀愁を帯びた(?)背中で、いざ闘いの場へ…
BGMは「ロッキーのテーマ」か?
はたまた「OK牧場の決闘」か?
今日のメニューは
「生春巻き」と「ソーメンサラダ」
カカの生春巻きは、人気メニューだったよなぁ。
申請書類に必要なので、左手の握力を測ったら、12キロ。
元気な頃は確か、両手ともゆうに30以上はあったから
半分以下のパワー!
※カカは痩せ型だけど、料理人という肉体労働者なので
女性としてはチカラが強かった。
この3ヵ月半で随分強くなって12キロってことは
最初の1ヵ月半の寝たきり状態で
ホントに筋力が落ちたんだなぁ…。
〝立つ訓練〟
最初はひざ裏もベルトで固定していたそうだが
今ではお尻のベルトだけで10分以上立てるようになった。
立っている間は、K療法士と、よもやま話。
カカにとっては、ストレッチするたびに憎たらしくなる、K療法士。
それでもリハビリ中は、ものすごく真剣に、Kさんの顔を見て、話を聴き
指示通りに一生懸命カラダを動かしている。
〝憎たらしいけど、信頼している〟のが、よくわかる(笑)。
まるで、ヘレン・ケラーとサリバン先生だ。
あっ!K療法士のことを『ミス・サリバン』と、命名しよう!
今日は3階病棟の時に担当だった
O療法士(通称『イケメン先生』)も加わって、会話に花を咲かせていた。
この日の話題は
①ツライ〝立つ訓練〟と、K療法士とでは、どっちがコワいか?
………回答は、K療法士(『ミス・サリバン』)。
②K療法士とO療法士では、どちらがコワいか?
………回答は、O療法士(『イケメン先生』)。
23歳のイケメン先生は、納得がいかない様子だったが…(笑)。
リハビリの帰りに
4階エレベーターの前に貼ってある、お知らせを見る。
「明日〝壁画製作〟だって。画伯としては、頑張らないけんね」
と耳元で囁くと
カカは真剣な顔で、ウンウンウンとうなづいていた。
明日は
リハビリ3時間、入浴1時間、レクレーション1時間、食事のべ2時間
そして土曜なので、友人の見舞いも多い。
忙しいぞー、カカ(笑)!
※おかげで消灯したら、すぐに寝て
朝までぐっすり眠れるらしい(本人談)。
眠れなくて睡眠薬を飲んでる人が多い中、ありがたいね。
カカは、入院しても
あいかわらずハードスケジュールみたいだよ(笑)。
でも退屈してるカカなんて、似合わないからちょうどいいね♪
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