来年1月から公務員・専業主婦(夫)や企業型DCに加入している会社員など、全ての人が個人型確定拠出年金(以下個人型DC)の対象になる。

 

運用スタイルとしては、元本確保型(定期預金・保険商品等)と投資信託から選ぶそうだ。

 

設定した金額(5000~12000円)を毎月掛金として拠出し、選択した商品のリターンを得ながら資産を増やしていくという流れである。

 

散々広告されているメリットしては税制面の優遇である。掛金は全額所得控除、運用中の収益は非課税、60歳以降での受取りの際の退職所得や公的年金控除など、入口と出口での手厚い優遇が一番の売りであるようだ。

 

運用中の収益について言えば、元本確保型は超低金利時代の今、雀の涙にも満たない利息しか出ないだろうし、かといって投資信託は初めての投資活動になる人も多いだろうから尻込みしてしまうかもしれない。ドルコスト平均法だとか、複利運用の利点などの宣伝文句で投資に対する恐怖感を緩和させそうとしているが、リスクがつきものという点ではなんら変わりない。

 

運用中の収益抜きで確実に恩恵を受けることができるのは、所得控除による年末還付だろう。実際に毎月投資した場合の効果については、源泉徴収票があればすぐに計算できる。

 

課税所得がわかればいちいち細かい計算はしないでおおまかな数字が算出される。

所得別の課税利率をざっくり説明すると195万以下は5%、195万超え~330万以下は10%、330万超え~695万以下は20%という感じである。

 

まず課税所得の算出については以下の式で算出される。用語は源泉徴収票中の言葉を使用

「給与所得控除後の金額」-「所得控除の額の合計」=課税所得

 

課税所得を算出できたら、そこから年間の掛金総額を差し引いて、課税利率がいくらなのかを確認して、該当する利率を年間の掛金総額にかければ、個人型DCによる還付金額がわかる。式にすると以下の通り。

 

① 課税所得(A) - 年間掛金総額 = 課税所得(B)


② 課税所得(B)に該当する課税利率 × 年間掛金総額 = 還付額

 

たとえば、課税所得190万円の人が年間12万円を掛けた場合はどうなるのか。

190万 - 12万 = 178万円  課税利率 5%

12万 × 5% = 6000円(個人型DCによる還付金)

 

ただし、掛金による所得控除で元は200万だった課税金額が195万以下になって利率が変化した場合は、それぞれの年間の所得税を算出して比較するほかない。

 

要するに、高所得者ほど個人型DCによる還付の恩恵は大きいということである。

 

今回の例のように6000円くらいの還付だと、個人型DCを運用するにあたっての口座維持管理手数料(金融機関ごとに異なるが無料または年間4000~6000円程度)と相殺されてしまうこともあるだろう。

 

手数料を補填するだけの収益をあげようとするのなら、月5000円の拠出でおおよそ7%以上、月10000円なら3~4%くらいの利回りで運用しないといけない。


福利厚生を担当する者としては良い勉強材料になるので今後も情報収集していきたい。