検診に行く。
私自身に自覚症状はほとんどない。
採血と内診の結果をみて、先生の顔が曇る。
そして、
「数値が良くいないので、調べたいことがあります。
 追加採血を受けて下さい。
 結果によって入院になります」とのこと。
不安だなぁと思いながら、
採血を受け呼ばれるのを待つ。

結果は、緊急入院。
出血があることと、
18週のわりにお腹に強い張りがあることと、
子宮口までの長さが通常3cmあるところ2.7cmしかないことと、
白血球の数が正常値3500〜8500に対し19800あることと、
炎症を示す数値が正常値0.00〜0.14に対し4.25あることから、
体内で感染症を起こしている可能性が高いとのことでした。
もし、このまま体内(子宮内)で感染症が進むと、
子宮が菌を出そうとして陣痛を起こし、
流産になると言われました。
22週未満では、破水したり、陣痛が起きたりして、赤ちゃんが生まれてもなんの処置も出来ず、
切迫流産となるそうです。
そこで、入院して、抗生剤を打ち、
そうした事態を避けようとのことです。
※22週を超えると切迫早産となり、
 赤ちゃんを生んでも何らかの処置ができ、
 助けられる可能性があるんだとか

本当に驚きました。
怖くもありました。
18週間ゆっくり育ててきた命が消えるかもしれないことや
新しい命に会えないかもしれないと思う恐怖です。
そして、もうじき3歳になる息子をどうしたらいいかです。
誰に見てもらえるのか、
寂しくて泣いてしまうのではないか、
色んな心配が募ります。
でも、緊急入院なので、
一度も帰宅することもできず、
車椅子で病棟に運ばれました。

それからは、検査、書類の記入、病棟説明、
診断内容と入院してからの過ごし方についての説明を受け、
点敵をされ、心音を測り、
そうこうしていると、夜になり、
母が荷物を持ってきてくれ、
友達が面会時間ギリギリに会いに来てくれました。

本当にに困ったことは、息子を誰が見るか、です。
いくら孫が、息子が、可愛くても、
両親や夫にも仕事があり、急には休めません。
当たり前です。
だから、無理に休んでほしいとも早々に言えません。
でも、まだ3歳前の息子を放置しておくこともできません。
きっと悲しむだろうな?
夜は泣かないかな?
ちゃんと寝れるかな?
色んな不安が過ります。
なんせ、息子が生まれてから一度か二度しか離れたことがないからです。
 
その一方で、
子宮口までの長さが少し短いからといって痛むわけでもなく、
顔をしかめるような張りや痛さがあるわけではないので、
自分には自覚症状がほとんどない。
なのに、入院して身動きが取れないことで、
みんなに迷惑をかけてしまうことが分かっているので
悲しく、申し訳なくなりました。
明日、2月5日は次の診察日。
それまでは、基本安静なので、
お風呂と、食卓と、トイレを行き来し、
基本布団の中で過ごした。

常に、出血(鮮血)というよりは、
おりものに茶色い血が混ざったものがつくのが気になる。
それ以外、特に変化はなかった。
一向に出血が止まらないため、
かかりつけの産婦人科を受診。

すると、
「出血はとても危険です。
 血はばい菌にとって好物なので、
 もし出血しているところからばい菌が入り、
 感染症を起こすと子宮はばい菌を押し出そうとする。
 それが陣痛となり赤ちゃんが出てきてしまう可能性があります」 
と言われた。
続けて、
「なので、里帰り出産をする病院をすぐ受診し、
 診察をしてもらい、
 対応をしてもらってください。
 入院になるかもしれません」
と。

私は、出産を実家近くの病院で産む「里帰り出産」。
きっと、入院になったりするなら、
産む病院で見てもらったほうがいいと思われたのかもしれない。
慌てて、里帰り出産する病院に連絡し、
診察もらうことになった。

里帰りをする病院の診察後、
「胎盤が子宮口にかかっているので、
 なんらかの原因で傷つき、
 出血があったのかもしれない。
 出血はばい菌の好物なので危険ではあるが、
 様子を見よう」
と、次の検診まで自宅療養になった。
突然の大量出血。
お腹も痛くて、よくはる。
正直、とてもびっくりした。
こんなことは第一子のときはなく、
初めてで、不安になった。
初めて妊娠したとき、
採血検査を受けても何も異常がなかった。
だから、2回目の妊娠のときも、
採血検査なんて何も心配していなかった。

そんな矢先、かかりつけの産婦人科から電話。
出てみると、医院長自ら電話をくださり、
暗い声で
「採血検査の結果、異常が見つかったので、
 すぐ病院にきてくれませんか?」と言われた。

慌てて病院に行くと
「HIVに陽性反応が出ています」とのこと。
頭が真っ白になった。
なんで?
いつ?
誰から感染したの?
主人以外としないのにどうして?
私もなら、主人もなの?
赤ちゃんは大丈夫の?
母乳はあげられないの?
不安が募る。

続けて先生は
「HIVに感染していなくても陽性と出てしまう場合がある。」という。
いわゆる、偽陽性。
ただ、そんな会話は、不安にかき消され、
右から左に流れ落ちてゆく。

帰りの車の中、何をどう整理したらいいのかわからなくなり、
堪えきれず涙がこぼれた。
いくら主人が
「俺は絶対になってない。
 君にやましいことがないなら間違いだよ。」と、
なだめてくれるけど、結果は結果。
どんな言葉をかけられても不安は膨らむ一方だった。

後日、専門医の元で、再度検査を受けることになった。

専門医は、
先生「お母さん、不安だった?」
私 「(頷く)」
先生「そうだよね。
   採血をした結果だから誰でも驚くし、
   疑う要素がなくても不安になるよね。
   だけどね、妊娠のときに受けるHIV検査は、
   反応する感度をとても高くして、
   ほんの少しの可能性も見落とさないようにしている。
   だから、10000人に1人の割合で偽陽性がでる。
   そして、再検査を受け、
   本当にHIVと診断されるのは、
   そのうちの30人ほどしかいない。
   だから、ほとんどがHIVではいないんだよ。
   つまりね。デリケートな問題だから、
   人にも相談しづらくて抱えこんでしまうだろうけど、
   不安に思い、悩み過ぎないでいてほしい。」
と言ってくれた。
何万人に1人とかではなく、
私自身がHIVに感染しているか否かの二択であることは変わらい不安は残る。
それでも、見えない大きな不安という荷物が少し肩からおり、落ち着けた。

翌日、検査結果を聞きに行くと、陰性。
やはり、あれは偽陽性だった。
結果を受け、不安は飛んでいった。


もし、妊娠の採血検査でおなじようにHIVに陽性がでた方がいたら、
少しでも何かになればと思い、書きました。