初めて妊娠したとき、
採血検査を受けても何も異常がなかった。
だから、2回目の妊娠のときも、
採血検査なんて何も心配していなかった。

そんな矢先、かかりつけの産婦人科から電話。
出てみると、医院長自ら電話をくださり、
暗い声で
「採血検査の結果、異常が見つかったので、
 すぐ病院にきてくれませんか?」と言われた。

慌てて病院に行くと
「HIVに陽性反応が出ています」とのこと。
頭が真っ白になった。
なんで?
いつ?
誰から感染したの?
主人以外としないのにどうして?
私もなら、主人もなの?
赤ちゃんは大丈夫の?
母乳はあげられないの?
不安が募る。

続けて先生は
「HIVに感染していなくても陽性と出てしまう場合がある。」という。
いわゆる、偽陽性。
ただ、そんな会話は、不安にかき消され、
右から左に流れ落ちてゆく。

帰りの車の中、何をどう整理したらいいのかわからなくなり、
堪えきれず涙がこぼれた。
いくら主人が
「俺は絶対になってない。
 君にやましいことがないなら間違いだよ。」と、
なだめてくれるけど、結果は結果。
どんな言葉をかけられても不安は膨らむ一方だった。

後日、専門医の元で、再度検査を受けることになった。

専門医は、
先生「お母さん、不安だった?」
私 「(頷く)」
先生「そうだよね。
   採血をした結果だから誰でも驚くし、
   疑う要素がなくても不安になるよね。
   だけどね、妊娠のときに受けるHIV検査は、
   反応する感度をとても高くして、
   ほんの少しの可能性も見落とさないようにしている。
   だから、10000人に1人の割合で偽陽性がでる。
   そして、再検査を受け、
   本当にHIVと診断されるのは、
   そのうちの30人ほどしかいない。
   だから、ほとんどがHIVではいないんだよ。
   つまりね。デリケートな問題だから、
   人にも相談しづらくて抱えこんでしまうだろうけど、
   不安に思い、悩み過ぎないでいてほしい。」
と言ってくれた。
何万人に1人とかではなく、
私自身がHIVに感染しているか否かの二択であることは変わらい不安は残る。
それでも、見えない大きな不安という荷物が少し肩からおり、落ち着けた。

翌日、検査結果を聞きに行くと、陰性。
やはり、あれは偽陽性だった。
結果を受け、不安は飛んでいった。


もし、妊娠の採血検査でおなじようにHIVに陽性がでた方がいたら、
少しでも何かになればと思い、書きました。