実は・・・ | 暮らしを紡ぐ

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コツコツと繰り返される毎日の暮らし。そんな中でも仕事や人との出会いや家族との時間を通して、確実に何か大切なものが紡がれていってるように思います。それが何かを探る旅はまだまだこれからも続いてゆきます・・・。

実は、また行っちゃいました。

立川のパン屋さん 「ゼルコバ」へ・・・。


初めて行った日の翌日。


友達のマイが国立まではるばる遊びに来てくれたので、

タコシ君も会社で居ないし、マイと二人で今度は電車に揺られて行ってきたのでした。


天気は快晴。文句のつけようのない青空でした。


最寄り駅の「西武立川駅」からは、テクテクと歩くこと15分。

「ゼルコバ」へ向かう道の何と、のどかなことよ。

完全なる「秋の遠足」気分。


この日は午後1時頃にお店に着いたのだけど、それでもパンは全て売り切れ。

こんなに遠くまでいろんな人が訪れているのだ。


冷凍パンを自然解凍したものだけが、細々と隅のほうで10%オフで売られていた。

残念だけど、しょうがない。

解凍パンを釜で温めていただき、珈琲と一緒に注文。

「今日は天気もいいし、風もないし、外の席にしよう!」。

私もマイも、お店の本棚から気になる本やら雑誌やらを大量に手に持ち、テラス席へ。


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しばらく本を読んで待っていると、店員さんが温めたパンを運んできた。

「大変申し訳ないのですが、うちのスタッフが温め方を失敗してしまい、固くなってしまいましたので、失敗した分のパン代をお返しするという形でもよろしいでしょうか?もし良かったら、失敗してしまったパンもお召し上がりください」と、言う。


それが食べてみて、びっくり。

どこが失敗なのか全く分からない。

「十分、美味しいよね」とマイと言い合う。


珈琲のお代わりを持ってきてくれた時に、「なんか代金返していただくの申し訳ないです。十分美味しかったので」と声をかけてみる。

すると店員さん。

「うちではホントはもっと美味しいものをお出しできるので、いいんですよ」。


このパン屋さんの魅力は、やっぱり確かなものだったのです。

パン作り と お客様に最高に美味しいものを出したいという理想 に まっすぐに向かっていく。

そういうまっすぐさが決して頑固な感じでも、すました感じでもなく、こちらにスッと入ってくる。

ただただ、感動でした。で、癒されました。


たまにポツポツと話したりもしながら、それぞれパンを食べたり、珈琲飲んだり、本を読んだり。

マイはそういう何も気にしなくていい貴重な友達。

「勝手」が許される数少ないお友達なのです。

寛いでいたら、猫さんがやってきた。ゼルコバで飼われている猫さん。


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余っていた珈琲用のミルクをお皿にうつし、マイが猫にミルクをやる。

ぺろぺろと必死でミルクをなめる猫さん。


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なんだか宮崎駿ワールドに迷いこんだような、不思議な気分が満ちてくる。


一度あのパン屋さんを訪れた人は、きっとやみつきになるのだろう。

一度訪れた人が再びまたやって来て。その人がまた別の人に「いいよ、いいよ」と宣伝し。

そうやって、どんどんどんどんあんな辺鄙な場所に流れるように人がやってきているのだと思う。