何だかあり得ないほどの豪雨に、被害が映し出されるニュースに、と水害に怯えます。

 

そんななか、どんどん出てくる未開拓の作家さんたちの一人下差し

「三階に止まる」なんだけど、こうなるのねぇ下差し

8個の短編集(ミステリー、ホラー)なんだけど、どれもオモシロい。

なかでも3個目の「壁の穴」と表題作の「三階に止まる」が残るわー

ミステリーを書くって頭がイイというか柔軟なんだろうなぁと、何時も思うわぁ。

 

 

 

前回の「まっとうな人生」が面白すぎて、その前編になる下差しを予約したら、すぐに借りられた。

自分が鬱病だと思っていた花ちゃんだったが、ある時好転したと思っていたら、それが躁のはじまりだった、という出だしである。

すべてがハイテンションになり、持っている薬を全部飲むと云う暴挙に出た花ちゃん。

そうなると自殺未遂で入院になるのだが、病院(プリズンと花ちゃんは言っている)を逃げ出そうとする。

一人で逃げようと思っていたけれど、中庭の隅で悲しげな表情で野良猫をかまっている"なごやん"に声をかけたらひょこひょこついてきた。

、、、と、この博多から鹿児島までの逃走劇はスタートする。

メモ

九州って馴染みがある。

長女が入った大学が博多にあり六本松も知っているというか住んでいた。在学中何度か博多に行っっているが街が垢抜けていて、たしかに食べ物が美味しいので住んでみたいと思ったわぁ。

そして、サーフィン好きな長男は宮崎に移住していて、もちろん宮崎に居をかまえている(もっとも現在、彼は東京に単身赴任中だが)。

なので、作品に出てくる椎葉村にも行ったことがある。

8年前に屋久島へ行った時に天候の具合から、行きと帰りに鹿児島に一泊ずつして、初日に開門岳に登り、最終日は霧島観光だった。

と云う具合に、知っている地名が出てくると何だか懐かしいのである。

 

そして何よりも、愛すべきキャラの"なごやん"の存在が大きいなぁ。

また、病を抱え生きていくことのしんどさを思う。

ふりかえり、「まっとうな生き方」になっている花ちゃんにエールなのである。

 

 

 

そして、新しいなぁ〜と思って借りた下差し

ホント誰もまだ読んでいないなぁ、なにせ栞紐(スピン)の先が本に固まっていたからねぇポーン

 

犬の遠吠えと云うと、以前に我が家にいた犬が老犬になってから遠吠えをして困ったことを思い出す。

決まって日付が変わって3時ぐらいになると、なんとも物悲しい声で吠えるのだけれど、超大型犬だったから声量は凄まじく静まりかえっている時間帯に響き渡り、慌てて雨戸を開けて声をかけるとハッとしたように止める、と云うのがあった。

 

上差しでは、"音を拾う、感じる" そういったものに焦点をあてている。

自然の中の音、人や生き物の遺した音、それらがたまりやすい条件などなど。

犬や動物などは人間には察知できない聴力があるので、それらに反応するんだろうなぁ。

作品では、怪我をして左目が色彩を失いモノクロ視界になった峰人が、音を意識するようになり音響技術者となったことから始まる。

動物だけではなく、赤ちゃんの "黄昏泣き" も〜と、ふっと思ったのである。

"魔が刺す" といった言葉にも及んでいて、不思議な世界を味わった。