【手前味噌】オリジナル無酸素熟成法 | 自然派で行こう♪

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自然な農法での安全な米・野菜作りをしています。
釣りと料理と自家製素材を使った味噌作りもしています。


さて、ササシグレの白米米麹が出来上がりました。

え?これ・・・白米?と思われるでしょうけど、れっきとした白米です。

 

飯米としての食味はいいのですけど、砕米、胴割れ米が非常に多かった昨年の自然栽培。

 

胴が割れるとどうなるかと言いますと・・・


▼こうなります。

 

米麹というのは麹菌の基底菌糸(植物でいえば根っこ)がデンプンを求めて米の中に入り込み白く見えます。

 

しかし、胴が割れたり砕けたりしていると蒸し米にした時点でデンプンがあふれ出します。

 

なので、根っこを張る必要がなくなるわけです。

 

しかし、ちゃんと甘い麹にはなります。

胴割れ米のない見た目に良くできたお米は真っ白でパラパラの美しい米麹になりやすいです。


▼麹ができたので大豆を茹でます。

 

7月27日。

まずは北海道産の「とよまさり」から。

最初は強火。

焦げ付かないように沸騰するまで箸で混ぜ、沸騰したら弱火で3時間。

いつもは蓋をしないのですけど、今回は蓋をしました。

(水を足すのがめんどくさいし、その方が豆のうま味が強くなりそう。)

煮上がりが綺麗です♪


▼茹で上がったら冷ましてからミンサーにかけてミンチにします。

 

真夏なので茹でる時間よりも冷めるのを待つ時間の方が圧倒的に長い気がします。

ジジイになったから?熱いものがさわれなくなり、ちゃんと冷めるまで待ちます。


▼ミンチにしたら生米麹と種水(大豆の煮汁)で溶いた種味噌を加えます。


この種味噌は6年ものの発芽玄米麹味噌です。

 

塩も自家製で作ったりしたっけ・・・あん時はしんどかったな。

こだわりすぎて疲れまくりました。


▼耳たぶくらいの硬さに混ぜ合わせたら味噌玉にします。


どうでもいい話ですが、「耳たぶくらいの硬さ」って、非常に曖昧な基準です。

福耳の人、耳たぶがほとんどない人、いろんな人がいるのでもっと違う例えが欲しいかも?


▼空気を抜きながら樽に隙間なく味噌玉を詰め込みラップを被せておきます。


続きは翌日。


▼1日だけですが、重石をして味噌からさらに空気が抜けるようにしておきましょうか。


この重石は後で外します。


▼7月28日は右側の黒豆を味噌にします。


大分県の「クロダマル」という品種です。

黒豆の方がアントシアニンとか大豆イソフラボンとか多そう。

気になったのは大豆を洗って浸漬中に水に黒い色素(アントシアニン?)が溶け出すこと。

黒豆を煮豆にするときのように鉄分を利用すればいいのかな?


▼結局、茹であがりは黒ではなく赤っぽくなりました。


これも3時間煮ましたが、もっと短い時間でも良かったと思います。

 

3時間だとちょっと柔らかすぎる気が・・・

しかし、黒豆というか・・・まるであずき?


▼米麹と種水(種味噌を溶いたもの)と合わせて味噌玉を作ります。


麹歩合は「とよまさり」も「クロダマル」も26歩で塩分は10%に少し足りないくらいです。

大豆の乾燥重量は900g

米麹(生)2400g

塩(五島灘の塩)500g

塩分少なめなので、味噌汁を作るときにたくさんの味噌を使わないといけませんね。

その分、栄養が摂れるってこと。


▼味噌玉は少し小さめに作りました。

 

これをジップロックもどきに空気を抜きながら詰め込んでいきます。



▼ジッパーを閉じる時も出来る限り空気を抜きながら

 

予定では3ヶ月の熟成期間を想定しています。

僕の場合、通常は塩分12%前後、麹歩合10歩〜12歩で真冬に仕込んで8ヶ月以上寝かせています。

今回は塩分が10%未満で麹歩合も26歩(大豆の乾燥重量の2.6倍の米麹)の甘口味噌です。

しかも、真夏の仕込みなので3ヶ月後にはひと夏を越しています。
 

なので、3ヶ月で完成予定。


▼昨日の「とよまさり味噌」の上に乗っけて詰め込みました。

 

合わせて10kg程度の少量の味噌の仕込みの完成です。

それぞれたった5kg程度ですので、カビて捨てる部分があると総重量に対して廃棄する割合が高くなります。

なので、ここからが今回の仕込み実験の本番。




味噌の熟成に活躍する酵素は酸素が嫌いな嫌気性の呼吸。

かたや、多くのカビ菌とか産膜酵母は酸素が好きな好気性。

その特性を活かし、今回の夏味噌を仕込みます。





▼衣類圧縮袋に味噌樽(実は10kg用の梅樽)を入れます。


梅樽の底で圧縮袋を傷つけて穴が開くと元も子もないのでプチプチを敷き詰めます。


▼樽の底にも新聞紙で覆い、ずれないようにセロハンテープでとめます。


あとは冬に大活躍の100均アイテムの登場です。

それは使い捨てカイロ。

使い捨てカイロは熱を発しますが、酸素とカイロの鉄分がくっつき、熱エネルギーに変えることによります。


▼使い捨てカイロを蓋の裏に固定します。



ポリ製の蓋ではなく、木の蓋がセットになっている梅樽を使ったのはこのためです。

一応、カイロの片面には接着テープが付いているのですが、

時間とともに重量に耐えられなくなり、落ちるのを防ぐためにピンで固定します。


▼樽の中の空気の量によりますが、今回は4枚のカイロを使いました。


これだけあれば十分でしょう。

問題はジップッロックに残っている空気の中の酸素まで消費してくれるかどうか?

樽底の「とよまさり味噌」とどちらがカビないのか?

まずは比較実験です。

カイロではなくエイジレスとかの脱酸素剤の方が確実なのかもですが、まずは安上がりな使い捨てカイロで。


▼蓋の上からも新聞を覆って蓋の角が圧縮袋に当たらないようにして掃除機で空気を抜いて完了。


これが上手くいけば熟成中に色々な雑菌が入らず、カビることもなく衛生的。

なおかつジップロックのまま冷蔵庫に入れて熟成を止めることができるので簡単。

上手くいきますように。