日本各地にはいろんな味噌が存在します。
私の住んでいる和歌山県でも地域によって様々な味噌がありますが、概ね米味噌とか米と大麦を使った田舎味噌です。
全国的に見てもほぼ米麹や麦麹や雑穀麹を使い、茹でた大豆や黒豆と混ぜて寝かせる味噌がほとんどです。
しかし、愛知県で愛されている味噌は豆だけを使った豆味噌が主流というか、愛知県民熱愛のソウルフードです。
八丁味噌に代表される豆味噌のいいところは加熱しても風味が損なわれないこと。
いわゆる、加熱料理向きの味噌ということです。
もちろん味噌汁にもできるし、米味噌などと混ぜてお好みの味に調整もできます。
ちなみに「赤だし味噌」とは豆味噌に米麹味噌を混ぜたもので、出汁が入っているものもいないものもあるようです。
じゅんさいが入った赤だし味噌汁が個人的に大好きなのでぜひそれを作ってみたいと思い始めました。
味噌煮込みうどんも作りたいですね〜。
ということで、豆味噌作りについて二年ほど前から調べ始めました。
米麹も麦麹も水に浸して水切りし、蒸してから温度を下げて種麹をまぶして頃合いの品温を保って数日かけて完成します。
豆味噌は豆麹だけで作りますが、納豆菌に冒され易いので米麹よりも低い温度で培養しないといけません。
そこが豆麹作りのもっとも難しいところだと感じます。
いろんなブログを拝見しても豆麹を仕込んだものの、その後の経過報告がない場合が多く、
おそらく失敗しているのだと思います。
しかし、八丁味噌屋さんは失敗なんかしてられません。
失敗しないコツはどこにあるのだろう?
いてもたってもいられなくなり、八丁味噌の本場である岡崎市に行ってきました。
▼どなたかの動画ですけど、まるやさんではガイドさんが味噌作り見学をさせてくれるようです。
とても流暢で毒舌とも言える喋り方のこのスタッフさんに伺ってみたいことがいくつかありました。
味噌玉麹の手入れの方法、大豆の浸漬時間と蒸し時間の関係性です。
▼しかし、こちらのスタッフさんではなく、お若いスタッフさんであんまり有力な情報を得ることはできませんでした。
でも、見学前に二橋さんという出汁にも麺にも味噌にもこだわりを持った
超人気のお店で美味しい味噌煮込みうどんも食べれたので満足です。
▼八丁味噌の味噌蔵もとても素敵でした。
この石積みでも1人前になるには10年もかかるそうです。(@_@)
▼お土産の八丁味噌と赤だし味噌。
個人的にはカ◯キューさんの八丁味噌より、まるやさんの八丁味噌の方が好みです。
ということで、とんぼ返りで帰宅しました。
有力な情報は得られませんでしたが、自分のやる気はかなりアップしました。
▼さてさて、豆味噌作りを開始しましょうか〜♩
使用するのは北海道産の大豆3kgと北海道産の黒豆500gです。
自家製の小糸在来大豆やサトウイラズは失敗する確率の高い初挑戦の段階で使用するのはさすがに無謀ですから。
▼大豆の量の3倍以上の水に浸して24時間まちます。
水に浸けるとすぐにシワシワになりました。
▼そして24時間後。
すっかり膨らみました。
蒸す前にもう一度だけ念には念をでネット検索をします。
今回私がつくる豆麹は豆に直接種麹をまぶして培養するバラ麹ではなく、蒸して3割程度に潰した大豆で味噌玉を作り、
それに種麹をまぶして作る味噌玉麹です。
バラ麹と味噌玉麹はどのように違うのかというと、味噌玉にすることで麹菌だけでなく、
味噌玉の内部で嫌気性の乳酸菌も増えるそうです。
だから納豆菌にも強くなるとかって書かれているサイトもありましたけど、納豆菌は最強の菌ですからその辺りは謎です。
何れにしても乳酸菌が増えるというのは「健康食」という観点からすればそれはいいことなんだと思います。
しかし、味噌を仕込んでいるうちに樽の中で乳酸菌が増えそうな気もしますし・・・。
その後の調べでは乳酸菌は味噌や醤油にとって次のような効果が期待されるとのことです。
- ・塩慣れが良くなり、塩カドがとれる
- ・適度なpH降下による優良酵母の増殖促進と雑菌繁殖の抑制
- ・光沢が冴え、変色しにくい
- ・原料臭、未熟臭の消失
味噌作りにおいて、まだまだ未知なることが盛りだくさんです。
今回は大豆を24時間以上浸漬しましたけど、
http://www.marusanai.co.jp/daizu/miso.html
こちらの会社では30分から2.5時間しか浸漬しないようです。
さらに驚いたのは6時間も蒸すというところです。
強火で6時間!?ガス代一体どれだけかかるんだろう・・・?
味噌玉麹作りに手慣れた方のブログでは長時間浸漬した大豆は煮る(蒸す)時間で調節されているようです。
そっちの方が経済的で効率的に思えるのですが、何が違うんだろう?
まずはやってみなけりゃ始まりません。
過去にも私の発芽玄米麹作りは度重なる失敗に始まっていますから、失敗上等です。
失敗を恐れていてはなんにも得るものがありません。
失敗の中からヒントを見つけないとです。
▼3.5kgの大豆が水を吸って10kg以上に増えていました。
大きな二段蒸し器がほぼ満タンになってしまいました。(今回は蒸し布を使わずに蒸します。)
しゅうまいとか豚まんとか米麹の製麹と違って水分でべちゃべちゃになっても問題ありませんから。
種麹メーカーの使用方法では煮るって書かれていましたが、10kgの大豆を煮る鍋がありません。
それに、大豆を煮ると煮汁がとても甘いんですが、それって大豆の栄養とか糖分が流出しているってことです。
▼湯気が上段から抜けてから2時間蒸すとしましょう。
1時間経過したら熱湯を足しました。
上段と下段の蒸し器を入れ替えて、
その後、十数分後。
▼1段目と2段目の間から湯気でなくお湯?煮汁?が吹き出し始めました。
もしかして、もうできたかな?
ひょっとして・・・お湯を入れすぎたのか?
▼蓋を開けてみると煮立っていました!?
写真を撮る暇がなかったのですが、確実に蒸すというよりも煮ている感じ・・・。
▼やはり、鍋には煮汁がたっぷりと・・・
蒸し器に詰め込みすぎたのが原因だろうか?
結局、1時間半で指で押すと潰れる柔らかさに仕上がりました。
いいのか悪いのか・・・これも1つの経験です。
▼大豆を3割程度潰して味噌玉を作るそうです。
潰すのは餅つき機の味噌機能を使ってらくらく作業です。
▼味噌玉の完成です。
八丁味噌メーカーの説明では直径3cm、長さ5〜6cmの味噌玉にするようです。
▼今回使用する種麹は愛知県で製造されたコウジザさんの種麹です。
大豆3.5kgに10kg分の種麹を使ってみます。
初心者は種麹を多めに使用すると失敗が少ないですから。
▼種麹はきな粉に混ぜて使います。
多くのサイトや文献には麦香煎(はったい粉)を使うと書かれていますが、豆100%の味噌にしたいのできな粉を使います。
情報によれば炒った小麦粉や米粉でもいいようです。
でも、豆味噌というからにはそういうのは使いたくないのです。
↑のまるやさんの動画でガイドさんが説明されていましたが、結局はきな粉は高価だったから・・・ということです。
▼自家製の麹室をアルコール除菌して使用します。
この中にこたつのヒーターを入れて適温に調節して培養します。
▼味噌玉に種麹を混ぜたきな粉をムラなくまぶして麹蓋に入れて培養開始。
この時、ちょうど深夜0時。
引き込みしてからの時間を測るのにもっともわかりやすい時間からの培養開始です。
▼納豆菌に冒されないように品温を35度以下にしたいです。
30度前後くらいで安定してくれれば嬉しいです。
うまくいくかな?いかないかな?それは豆麹初心者の私にはまったくわかりません。
結果は明後日です。