今年もタライ苗で次の稲作に向けての実験をしています。
今回はポット苗とマット苗の比較です。
ポット苗は1穴に1〜3粒播いています。
実験に使うのは1粒播きの1本苗。
▼マット苗も1本植えで使用します。
ポット苗とマット苗、この育苗密度の違いですから、差が出て当然かもですが、
以前、ササニシキのがっちり苗と、コシヒカリのひょろひょろ苗を同じように比較したことがあります。
▼タライに植え付ける直前の苗の根。
上がコシヒカリで下がササニシキ。
植え付け後は最初はササニシキが茎数が勝っていましたが、最終的には・・・
▼ほとんど変らない稲穂の本数でした。
ササニシキの有効茎数は結局68本ありました。
そしてコシヒカリは65本でした。
いずれも倒伏する訳でもなく、株元はがっしりとしていてとても太くそだちました。
▼今回はその時とは全く違う感じです。
ポット苗は植え付け直後からとても元気に育ちました。
マット苗はかなり活着に時間がかかったようです。
どちらも根を切らないように植え付けましたが、いったい何が違うんでしょうか?
▼いまではこんなに差がつきました。
両端がマット苗で、中央がポット苗。
ちなみに、無肥料ではなく、硫安と過リン酸石灰を使っています。
いずれも出穂45〜50日前を予測して施肥しています。
▼現在では、ポット苗の分蘖数は70本を越そうとしています。
まだまだ茎数は増え続ける感じです。
▼こちらはマット苗。
ただいま20本ほど。
以前のササニシキとコシヒカリとの比較の時とは明らかに違う感じです。
▼今回はアゾラ・クリスタータという浮き草も浮かべています。
最初は生えていた小さなコナギもすっかり消え去っています。
そんなに分厚いアゾラの層ではありませんが、効果はかなりあるようです。
注目すべきはアゾラが水面を覆っていても分蘖が進むということです。
水の温度も田んぼほど高くありません。
田んぼのアゾラは層が分厚くなりすぎて稲に悪影響を及ぼしていますが、
このくらいの層の厚さで収まってくれれば特に悪影響はないように感じます。
このアゾラは中干しの際に枯らしてしまうと穂肥になるそうです。
それも楽しみな実験材料です。