5月29日〜6月10日に田植えをしたササシグレはこんな感じになりました。
稲刈りまでまであと10日あまりでしょうか?
今年は4回に分けて田植えをしました。
期間にすると5月13日から6月27日までの45日間。
植えた時期によって当然の事ながら実り方も違ってきます。
▼5月29日に植えたササシグレは今こんな感じ。
土壌改良剤も肥料も何も与えていません。
ケイカルやミネラルくらいは入れようと思いましたが、完全無肥料栽培です。
▼こちらは6月22日に植えたササシグレ
モミまきしたのは5月5日で、47日の苗です。
▼こちらは6月27日に田植えしたササシグレ
こちらは昨年の奇妙な見た目の稲を再現すべく昨年と同じ日に植えてみました。
モミまきしたのは4月19日なので、70日近い苗という事になります。
「そんなのはダメだ!!」とベテラン農家さんはおっしゃいますでしょうが、昨年のそのお米が自分はお気に入り。
粒も他に比べて大きく、味も違いました。
さて、お米の味を左右するのはいろんな要素があると言われています。
水質であったり、肥料であったり、土の違いであったり、
収穫時の窒素肥料の残り具合やマグネシウムの加減。
米どころと言われる地域とそうでない地域では一体何が違うのだろうか?
自分が思いつくのは「土質」と「気温」と「水質」だけしか思い浮かびません。
土質(土の深い浅いも含め)と水質は自分の力ではどうしようもありません。
自分でそれなりにコントロールできるかもしれないのは気温。
当然、自分の力で気温を調節できるはずもありませんから、栽培期間をずらす事を思いつきました。
ササシグレは宮城県の品種です。
美味しいと評判のササニシキよりもさらに美味しいササシグレ。
ここ和歌山県で作るササシグレを宮城県で作るササシグレの味にできるだけ近づけたい。
そう思いつづける毎日です。
で、結局のところ、宮城県と和歌山県の気温ではどれくらいの差があるのでしょうか?
正直なところ、比較したことがありません。
宮城県は冬に雪が積もる。和歌山県は沿岸地域に雪が降れば地方新聞の一面を飾る。
確かに冬の気温差は全く違うと思うのです。
しかし、稲を栽培する5〜10月ではどれくらい違うんでしょう?
特に、味を決めると言われる登熟期の気温の違いはいかに?
ということで、http://weather.time-j.net/Climate/Chart/tokamachiこちらで調べてみました。
ひとくちに宮城県といっても広く、地域によって全然違うかもしれません。
ここではササシグレの種籾をお分けいただいた本石米ササシグレ普及会の太田俊治さんが稲作されていらっしゃる石巻の気温と比較してみました。
上記サイトには私が稲作している地域のデータはありませんでしたので、最寄りの観測データで比較。
あれ?
なんだか驚くような気温差はないような気もします。
比較しやすくするためにグラフを重ねて比較してみることにしました。
▼合成するとこんな感じです。
色の濃い折れ線グラフがこちらの地域で、色の薄いほうが宮城県の石巻
稲穂が出てから収穫するであろう8〜10月の最低気温の違いはあまりありません。
最高気温は全く違います。
ちなみに、折れ線グラフの下にある青い棒グラフは降雨量で色の濃いほうが石巻。
お米の食味は夜間が高温になると日中に光合成によって蓄えられた澱粉が夜間に消費されやすく、
お米の食感や味が損なわれると言われているようです。
なので、日中は高温で夜間の温度が低い気温の寒暖差があるほうが美味しくなるようです。
寒暖差だけでいうならば、こちらの地域のほうが寒暖差はあります。
じゃ、何が違うんだろうか?
日中も高温になりすぎるといけないってことでしょうか?
だとしたらやっぱり栽培期間をずらして10月くらいに稲刈りをするほうが美味しいお米ができるってこと?
無肥料栽培で美味しいお米を作るには・・・そこしかないのかな〜。
あとは、栽植密度でお米のアミロース含有量を変えることが出来るようですが、そんなに顕著な違いはなかったような・・・。
今年の収穫で少しは答えが出るかもですね。