今年の最後の田植えは6月27日に行いました。
田植えは4段階に分けて植えましたけど、育苗も2段階に分けて行いました。
この最終に田植えした田んぼの苗は4月19日に種モミを播きしたものです。
慣行栽培では20〜25日の若苗を植えますけど、除草剤を使わない栽培ではもっと大きく育ててから植えます。
苗が小さいと水を深く貯める事ができずに草(主にヒエ類)がどんどん生えてしまいますから。
この苗は66日の老化苗を植えたものですが、70gのうす播きにしています。
田植え後もこれをずっと水やりして管理していました。
▼7月5日にはついに生殖成長に移行し始めました。
土とか水に養分がないと早々に子孫を残そうと種をつけ始めます。
昨年は大苗を田植えしているときに出穂しはじめ、とても焦りました。
調べると「早期異常出穂」とう現象で、品質が落ち、収穫量も少し落ちるそうです。
しかし、収穫が終わって籾摺りしてみると粒が大きくどの米よりも食味がまとまっていました。(私の水田での比)
それは稲刈りが遅かったせい?
それとも、とことん早期異常出穂だったから?
その謎を解明するためにはいくつかの実験をしなくてはなりません。
ということで、66日の超老化苗を6月27日に植えた田んぼ。
5月5日に種モミを播き50日の老化気味の成苗を植えた田んぼで生育の比較、食味の比較をしてみます。
そして、70gのうす播きマット苗は播種後何日くらいまでなら田植えが可能なのか?
▼7月22日の苗の様子。
とうとうほとんどの苗に種ができて色付いてきました。
スズメの格好のご飯になっています。
何しろ、この頃には他の田んぼの稲には稲穂なんて出ていませんから。
これを植えたらどうなるかな?という実験。
一度は生殖成長に傾き、そして色づいてきた頃に植えた稲はどれくらいの茎数に増えるのかな?
出穂の頃にはもう水路には水が来ていませんが、植える場所を選べばなんとかなるかもしれません。
ちなみに品種は和歌山県南部で育てれば中生〜早生のササシグレです。
▼さて、植えるとしますか。
7月22日ということは今から1ヶ月前です。
それにしても枯れる寸前のような稲の苗・・・。
▼植える場所はここ。
水はけが悪く、冬の間もずっとぬかるんでいる場所に欠株がありました。
ここに植えたら実験可能かもしれません。
株間も条間も30cmです。
▼7月22日に植えてみました。
周囲の株は植えてから1ヶ月経っています。
それから1ヶ月経った本日の様子を見てみます。
▼なかなか大きく育ちました。
この苗を植えた頃の周囲の株の生育と遜色ありません。
気温の違いの問題はありますが、苗は老化しても普通に育つようです。
稲は本来多年草だから?生育環境さえ整えば老化しても種が色づいても生殖成長から再び栄養成長に移行するようです。
問題は周囲の稲とのモミの着粒数と玄米の大きさです。
なぜこんな実験をするのかといえば、自分で経験し、それを今後に生かしたいからです。
あと、近所の営農指導員さんが過去に言ってた引っかかる一言
「和歌山で育てたササニシキはなぜまずいのか?」
ササニシキは宮城のお米。
ササニシキに限らず、育てる地方や気候によって味が違うと感じます。
しかし昨年の経験から、ササニシキの親であるササシグレも栽培時期をずらせばその食味も変わると感じています。
県の奨励品種を育てるのもいいですけど、私はもっと体にいいと思える品種を育てたいのです。
お米を作るなら安全性重視なのは勿論、お米の消費量が減っている現代なら美味しい方が絶対にいいと思うからです。