
発芽玄米麹作りに私は何度も失敗しました。
玄米はほぼ35kgも使ってしまい、白米、小米、古代米も10kg以上は使っています。
1シーズンによくぞこれだけ失敗したものです。(白米麹は失敗知らずですが)
なぜこんなに失敗の連続なのかといえば、原因は世の中の情報に振り回されていたからです。
そして、ようやく成功しました。
なぜ失敗したか?どうすればうまくいくかをこれから書きますので、
過去に発芽玄米麹作りに(しっとり麹で)失敗して挫折した人は是非もう一度チャレンジしてみて下さい。
昨日の記事に書いた、Aの発芽玄米とBの発芽玄米の違いはひとつだけ。
それは玄米を浸漬前に傷を付けていたかいないかの違いだけです。
▼こちらはAの発芽玄米。

パラパラとして、市販の発芽玄米麹と同じようにできています。
これは傷を付けていないんです。
なのになぜ、ハゼ込みが多くあるんでしょう?
▼こちらはBの発芽玄米麹。

これはフードプロセッサーで傷を付けました。
なぜ傷をつけるかというと、傷口から菌糸が入り込みやすいという情報からです。
しかし、実のところ・・・この作業が失敗の元でした。
傷をつけたにも関わらずハゼ込みがほとんど無い・・・(実はこれでも麹になってはいるんですが。)
では、傷をつけるとなぜ失敗したのか?ですが、
答えは簡単。
★傷をつけると傷口だけが広がる。(他に傷ができない。)
無闇に傷が深く入っているのでアミラーゼによって糖化・液化されたデンプンが米の外に流出する。
それ以前に蒸した時に米からデンプンが出て麹菌はそれを糖化させようとする。
結果ベタベタになる。
▼傷が付いている米は傷口だけが広がっています。

たまたまフードプロセッサの歯から逃れた傷の付いていない米はハゼ込みがいいです。
そして、傷をつけないほうが上手く行く理由ですが、
★傷を付けなくても蒸した時に米が膨張して糠層に亀裂が入る。
しかも、浅く糠層に亀裂が入り、玄米は麹菌からしてみれば白米と同じような状態になる。
▼右がBの麹で左がAの麹です。

並べてみても明らかに違いますし、触感も全く違います。
しかし、ササシグレの失敗麹とBのコシヒカリの失敗麹では明らかにしっとり感が違います。
やはり米の品種によって傷をつけた時のしっとり感は違う模様です。
あれ?Aの麹の中には籾のままの蒸し米も混じっていますね。^^;
▼そして、その籾もハゼて麹になっています。

稲わらやモミには枯草菌、納豆菌が付いていると言っても間違いないくらい付いているそうです。
でも、納豆菌は繁殖せず、麹菌が生きています。
作成中に40.2度まで温度が上がりましたが、納豆菌の繁殖適温なのに繁殖しないようです。
というよりも、麹菌が大量すぎて納豆菌が繁殖できないようです。
いつか納豆を食べながら製麹してみようと思います。
これを見ると、「納豆を食べると製麹に失敗する」という常識もどうも眉唾ものに思えて仕方ありません。
結論
以下が私が振り回された情報です。
この情報が間違っているかどうかはわかりません。その人が使っている米の品種や品質はそれに向いているのかも知れません。
発芽玄米は傷をつける ×
発芽玄米は2度蒸しする×
発芽玄米は2時間蒸す×
私が成功した方法は以下の通りです。つかった種麹は秋田今野さんの麦用種麹です。
★米は目の細かい洗濯ネットに入れて蒸気が出てからセットし1.2kgの米で50分蒸す。
★蒸しあがったらタライに移して、手でネットの中で踊らせるようにしてスグに蒸し米を冷ます。
★傷をつけようとしてしゃもじで混ぜてもキズはつかない。特に分厚いしゃもじで練ると逆効果。
★40度に下がったら種麹を1kgあたり1.5gを4回に分けて種切りする。
★種麹をまぶしたら手で拝むように米の表皮の亀裂に種麹をすり込む。
★洗濯ネットに入れたまま麹蓋に入れて1つの山盛りにし、濡れた布を全体にかぶせる。
★麹室内の温度は30度~32度
★種麹の特性によるのでネットや本にでている1回目の手入れまでの時間は当てにしない。
★40度を超えたら山を崩して温度を37度まで下げてもう一度山にする。
★時間が経って40度に近づいたら山を崩して麹蓋に平らにする。
★室内の気温が極寒でない限り、この時点で麹室の加温をやめる。
★発熱がすごかったら布を取り去り溝をつける。
★今回の種麹では白米と同じ48時間で製麹終了。
★米袋を切り広げてその上に平らに広げて湿気を飛ばす。
以上、私の製麹環境下での手順でした。
皆さんの発芽玄米造りが成功しますように。m(_ _)m