トマトの味は育て方より血筋なのでしょうか?
今年の春に食べた和歌山県印南産のとんでもなく甘くておいしいトマト。
あまりの美味しさに感動してその種を播種しました。
その種は1.5mm程度で通常の種と比較するととても小さな種で、
(これは、芽がでないかもしれない・・・)と思っていました。
しかし、ちゃんと小さな芽が出て、スクスク成長し、
遅れて播種したにもかかわらず、
他の桃太郎ファイトやポンデローザと肩を並べるくらいに成長しました。
親トマトの形状は桃太郎に似ていましたが、ほんのちょっとファースト系の少しだけ尻が尖ったカタチでしたが、
その子供たちは何故かイタリアントマトのような若干縦長のだるまさんの様なカタチになりました。
F1品種を自家採種してその種をまくと先祖帰りし、
作物のカタチが不揃いになるという致命的な問題があるのですが、、
私は商売にしている訳ではないので、カタチはまったく問題ありません。
アロイトマトも桃太郎を自家採取し、8年かけて固定種にしたものと聞きます。
▼まだまだ完熟していませんが、空模様が怪しいのでひとつだけ収穫してみました。
このトマトは雨が降ろうが降らまいが、クッキリとスターマークが入ります。
親トマトは尻から頭にかけて全身にクッキリとした筋が入っていました。
甘さのひとつの目安とされるこのスターマークですが、
育て方よりも遺伝性が大きいと思います。
収穫したトマトを水にいれましたが、浮力0状態ですこし浮きます。
水に沈むトマトは実がギッシリ詰まっていて美味しいと言いますが、
私はそれを美味しいトマトの基準にしていません。
なぜなら、私が以前永田農法で育てたトマトは水に沈みましたが、
普通のトマトの味と変わらなかったからです。
味の本質がイマイチでは多少の糖度の違いでは美味しいと感じないのかも知れません。
その時は「美味しさって品種によるのかも?」と思っていましたが、
やはり、その憶測は間違ってないのかも知れません。
▼切ってみました。
完熟にはまだ時間があるので、中身の色もイマイチです。
でも、味は良かったです。
なんというか、親トマトの味を薄くした感じ・・・
いうなら味の本質があの美味しい印南産のトマトと同じなんです。
作り方は至って普通のプランター栽培。
もちろん雨除け無しで、雨に打たれ放題・・・。
でも、私が作った雨除け桃太郎ファイトよりも美味しかったんです。
不思議でなりません。
肥料はEMでぼかした米ぬか、化成肥料、そして、カツオエキスの液肥のみ。
第1果房のトマトから同じ味でした。
その頃はカツオエキスを入れていませんでしたので、
肥料面では私の作っている他のトマトと何ら変わりありません。
答えが出たようで謎は深まるばかりです。
例えて言うなら、競走馬と同じで、
サラブレッドとは品種です。(トマトで言えば、桃太郎とかルネッサンスとか、福寿とか・・・)
その中でも、いろんな名馬がいて、引退後も種馬として活躍し、
その子も親の血筋を引き継ぎ期待されます。
でも、名馬と言えど、品種で言えばサラブレッドのひとくくりです。
トマトも同じ様な事が言えると今回の栽培で確信(?)しました。
来年も春先に出回る例のとんでもなくおいしいトマトを購入して
その種を播種してみようと思います。
もちろん、写真のこのトマトの種も採っておきます。
来年が楽しみです。