ことばでネジを巻き上げる -2ページ目

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心臓を取り出して、いたわりを込めた手で撫でて、ぎゅっと抱いてたい。

88

そこをひょっと引っ張ったら、まるで手品みたいに、もつれてくしゃくしゃになった糸がするりとほどける。
それを探して、ずっとじっと待ってるのに。
ほんとうは端っこから少しずつ手繰っていけばいいのだけど
欠けた手では、あるいは鋏しか使えないんだよ。

月が夜に染みて溶け出してる。
(ひどく鋭い爪あと)

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求めるものが、手に入らないものから、失われてしまったものへ変わった。
それに気が付いたとき、折り返し地点を過ぎてしまったんだなって、思ったんだよ。

角度に気付かないほど、なだらかに続く下り道。
変わらない景色。
風が吹かないのは現実じゃないから。
途切れない静けさは何を伝える?

太陽はない。
クリーム色の空が光る。

90

わたしはいままで、どれだけ人を蔑ろにしてきたんだろう。やさしくしてくれる人がたくさんいるのに、わたしは人にやさしくするやり方がわからない。どんなにふだん言葉にこだわっているつもりでも、いざというとき、言葉なんて出てこない。こういうことが言いたいんじゃないのに、っていつも思う。
どこまで踏み入っていいのかわからないの。距離感がつかめない。わたしは誰に、どこまで触れることを許されているんだろう。

91

一瞬でも、満たされると感じることがない。
そもそも器が欠けているのだ。
満ちる前に溢れて零れるのは自然なこと。