本日の懐かしのホラー映画は、「恐怖」(1961)。
ハマーフィルムが製作したヒッチコック系のスリラー映画です。

警察が湖から女性の水死体を発見する所から物語は幕をあけます。
水死したのは、ペニーの看護師マギーでした。
ペニーは、9年前乗馬の事故で足が不自由になり、介護が必要な状態となっていました。事故で生活が激変し、落ち込んでいたペニーの心の支えになってくれたのがマギーだったのです。マギーとは親友の様な間柄であった為、ペニーは大きな悲しみに包まれます。
そんな折、フランスに居る父親より一緒に暮らさないか?と手紙が届き、ペニーは疎遠になっていた父親の元へと向かいます。
空港へ到着したペニーを出迎えてくれたのは、父親ではなく、運転手のロバートでした。ペニーの父は、4日間行方不明であると言うのです。
父親の屋敷に到着したペニーを歓迎してくれたのは、初対面となる継母ジェーンでした。
ペニーの父親は、仕事で家を空けているとジェーンは説明します。
その晩、風が扉を打ちつける音が気になったペニーは、部屋を出て音がする方へ様子を見に行きます。
屋敷の離れへ行くと、そこには座ったまま死亡している父親の姿がありました。ペニーは、激しく動揺します。気が動転したペニーは、誤って離れの外にあるプールに落ちてしまいます。
ベッドで気が付いたペニーの傍には、医者のジェラードとジェーンが居ました。ペニーは、父親が死亡していた事を告げますが、2人とも信じられない様な表情を見せます。
確認のため 皆で離れに向かいますが、父の遺体はなく、父を照らしていた蝋燭も忽然と消えていました。ペニーが見たものは、幻だったのであろうか。?
後日、ペニーの元へ父親から電話が来て、無事である事を知らせます。どこか釈然としないペニーは、ロバートに相談をすると、彼は離れから削り取った蝋燭の欠片を見つけて来ます。
もし、父親が亡くなっていた場合、莫大な遺産はペニーのものとなります。そのペニーが居なくなれば、次に遺産を受け取る資格があるのは継母。
ペニーを精神的に追い詰めて遺産を我がモノにしようとしている継母の策略ではないのか?
ロバートの仮説を信じる様になったペニーは、2人で真相究明へと乗り出します。
これ以上書いてしまうと、映画の面白さが半減してしまうので、続きは本編で御確認いただけたら・・と思います。
ピアノの演奏やガレージにある父親の車等、ペニーを陥れようとして仕掛けられる数々の罠(小道具)、事態が2転3転するスリリングな展開と、ヒッチコック作品がお好きな方なら堪らない要素が凝縮された、まさに傑作の1本だと思います。きっと、想像だにしない結末に唸る事必至です。
主演のペニーを演じているスーザン・ストラスバーグは、強制収容所モノ作品「戦慄のナチ収容所(ゼロ地帯)」(Kapo)やオカルトホラー「マニトウ」に出演している女優さんです。

本作の主人公ペニーは、守ってあげたいと思えてしまう美しさと気丈さを兼ね備えた、魅力のあるキャラクターでした。ちなみに、スーザンが出演した「マニトウ」は、ホラービデオカタログからは落ちていますが、いずれ本ブログでも取り挙げる予定です。
ジェラード先生役を演じたのは、ハマー・フィルムに多数出演しているクリストファー・リー。怪物役ではなく、ごく普通の人間役ですが、クリストファー・リーが出演しているのですから、ただものではないのは確かです。(笑)
非常に重要な役どころを担っていて、彼の正体は終盤で明かされる事となります。
ちなみに、本作はモンスターが一切出て来ないにも関わらず、「フランケンシュタインの復讐」「吸血鬼蘇る」「ゾンビ襲来」と一緒にハマーフィルムの"クラッシック・モンスターズ・コレクション"DVD-BOXに収録されていました。
販売元が販売権を所有しているタイトルが、このラインナップだったのかも知れませんが、あまり売れなかった為、その後のリリースは途絶えてしまったと友人が話していました。
非常に優れたタイトルであるが故に、実に勿体ないと思いました。
視聴環境は狭くなって来てはいますが、 "クラッシック・モンスターズ・コレクション"DVD-BOXはまだ入手可能です。
出来れば、単体でBlu-ray発売して欲しい作品ですね。😆👌