本日の懐かしのホラー映画は、「処刑軍団ザップ」(1971)。
狂犬病の血が混入したパイを食べた人々が狂暴化して騒動を起こすパニック・ホラーです。



ホーレスをリーダーとする悪魔崇拝のヒッピー集団が行う怪しげな儀式から物語は幕をあけます。
バレーヒルズと言う人口40人あまりの小さな町に住む女性シルビアは、彼らの儀式を目撃。盗み見をしている事がバレてしまい、彼らに捕まってしまいます。
ミルドレッド・ベーカリーと言う食料品店で手伝いをするピート少年は、姉シルビアが無残な姿で町に戻って来たのを見て、酷いショックを受けます。


8人のヒッピー集団は、バレーヒルズへやってきて、暫くここを根城にする事にします。
潜伏している家で彼らが怪しげな事をしている事を、これまたピート少年の祖父が目撃。祖父も酷い目に遭わされてしまいます。祖父と姉が彼らに傷つけられた事が許せなかったピート少年は、銃で殺害した狂犬病の犬の血を抜き取り、ベーカリーで出すビーフパイに注入。
店へ訪れた彼らにパイを格安で売りつけます。
パイを食べた彼らは、次第に口から泡を吹いて狂暴化する様になります。
まずは、内輪で殺し合いを始めますが、アジトから逃げ出した女性の1人がダム工事の作業員達と肉体関係を持った事で、作業員達にも狂犬病が感染。狂暴化した人々が増殖し町の人々を襲う様になります。
ピート姉弟やベーカリーのミルドレッド達にも狂人達の危機が迫るのでした。


ヒッピーが登場するので、1970年代が反映されているのを感じますが、今なお色褪せないカルト映画だと思います。
原題は、I DRINK YOUR BLOODなのに、ザップなんて不思議な邦題が付いています。ザップと言う単語は、本編には一度も登場せず、その説明は一切ありません。(;'∀')


誰かれ見境なく襲い掛かる、狂犬病にかかった人々が本当に狂っている様に見えました。
手や首が切断されるシーンもあるのですが、作り物感満載なので、気持ち悪さを感じる事 無く観る事ができます。
(ゴアシーンに拘る方にとっては、物足りなさを感じるかも知れませんね。)


本作の個人的な見所は、リン・ローリイでしょうか。
可愛らしい容姿ながら、口もきかず無表情に残酷な行為をしてしまうヒッピー集団の1人キャリー役を演じています。リン・ローリィファンなので、「ザ・クレイジーズ」や「シーバース 人喰い生物の島」等、ホラー系出演作は殆ど観たと思います。

本作は、2003年にJVDからリミティッド・エディションとしてDVD化された際、喜んで購入したのですが、実は手元にレンタル落ちのVHSを所有していた!と言うオチのあった1本です。(この時期は、VHSの管理が杜撰になっており、何を所有しているのか自分でも把握が出来なくなって来ていました。)
その後、是空さんが無修正の米国公開版(83分)と5分追加映像の入ったディレクターズカット版をW収録したBlu-rayを発売しました。


DC版は、事態が収拾した後の物語が追加で描かれています。
米国公開版のラストシーンの後、唐突にピート少年が野原に歩いて行くエンドクレジットに移ってしまう違和感がDC版では少し緩和されている様に感じました。
追加収録分が映像にノイズが入りますので、追加部分は一目瞭然です。
5時間以上収録されている特典映像は殆ど観れていませんので、また機会を見つけて堪能したいと思います。