本日の懐かしのホラー映画は、「首狩り農場 地獄の大豊作」(1971/1986)。
脱力系 トロマ映画の1本になります。

フィリップとカートは、宝石店へ強盗に入り、100万ドル相当の宝石を盗み、逃走します。途中、2人の女性(カレン・スーザン)と合流し、4人は飛行機で逃亡を図るも、カロライナ山に不時着。そこからは盗んだジープに乗り移動します。
とある田舎道を走行中、トラックの調子が悪くなったため森に隠し、近くに住むレビースーと言う若い女性の家を訪れます。
図々しくも居座り始める4人に当惑するレビースー。
女性陣が池に泳ぎに行っている間に、夫のハーレンが戻って来ます。
ハーレンは、ひげを蓄え大柄な老人でした。レビースーは、父親が200ドル借金した肩代わりに娘をハーレンに差し出したのです。結婚して僅か4日目ですが、全く触れようとしてくれない夫に不満を募らせるレビースーなのでした。夜、夫に迫っている所をカートに目撃されてしまい、それを脅しのネタにされ、レビースーは強引に関係を迫られてしまいます。
2人の情事の現場を見ていたスーザンは、カレンにカート達の事を密告。
逆所したカレンとレビースーは、揉み合いになり、鈍器でレビースーはカレンを撲殺してしまいます。
森から車を引き揚げてきたハーレンは、ラジオを聴いて、4人が宝石強盗の逃亡犯である事を知ります。仲間が不慮の事故で死亡し、カートとハーレン達は諍いを始めます。諍いの末、ハーレンは農具でカートを殺害。小屋に住まわせている男と2人で逃亡します。それを追いかけるフィリップ。
痴情のもつれから始まったバトルロワイアルを制し、最後に生き残るのは誰か?
本作は、トロマ・エンターテインメントの超低予算映画の1本になります。
最初の40分位は殺人も起きず、退屈な展開が延々と続きます。
レビースーとカートの情事の後から、トラブルが始まり、1人また1人と消えて行く事になりますが、VHSパッケージのイラストに描かれている様な大鎌は一切登場しませんし、首が狩られる場面もありません。完全なるジャケット詐欺映画になります。
当時は、大作・話題作と一緒に低予算の売れそうもない映画が抱き合わせで付いて来る事があった様で、買い付けた以上売らなければならない。
ビデオ会社の苦心の策が邦題とパッケージに現れているのではないでしょうか。
本編に流れる音楽がやたら陽気なので、殺戮シーンを描いていても全く緊迫感や悲壮感が感じられず、観ている人によっては救われるかも知れません。
ホラー度が限りなく低いので。。
この映画の一番のウリは、地獄の裁き人として時折登場する名優ジョン・キャラダインが出演している事でしょうか。
本記事 冒頭を見て疑問に思われるかも知れませんが、年代表記が2つあります。
海外サイトおよびALLCINEMAで見ると、1971年製作。VHSパッケージの表記は1986年。
あくまで仮説でしかありませんが、1971年に製作された映画で世間に発表したのは1986年なのかも知れません。登場する女性陣が「死霊の盆踊り」辺りに出て来そうな雰囲気を醸し出していたので、とても1980年代の映画には思えなかったのです。
個人的には、長閑な雰囲気の中で、ゆるりと展開するバトルロワイアルを楽しめましたが、あまり人には勧められる作品ではないのが正直な所です。
海外ではDVDが発売された様ですが、本国では円盤化は難しいかと思います。
VHSと海外盤でしか楽しめない珍品。トロマ映画がお好きな方はチャレンジしてみて下さい。
面白いか保障は出来かねますが。😅