本日の懐かしのホラー映画は、「デスドローム-魔界帝王-」(1988)。
非常に珍しいスウェーデンの映画です。

スウェーデン在住の青年エリックは、牧師が邪悪な言葉を発する様に見えたり、教会の隣の座席で演説を聞いている人が腐敗した人間に見えたりする幻覚に悩まされ、発狂寸前の状態に陥っていました。
何とか気力をふり絞り、アメリカに居る幼友達のスティーヴに手紙を書きます。
2人には、とある秘密がありました。
少年時代、教師のアンダーソン先生に素行を注意される際、体罰を受けた2人は、仕返しに爆竹を仕掛けます。
ちょっと驚かすハズが、アンダーソン先生を焼き、自宅まで焼失する程の大火事に発展してしまいます。幸い、2人が犯人とは思われず済んだ為、2人だけの秘密にする事にしたのです。
当初、旅行に出かける積りだったスティーヴは、故郷スウェーデンから届いたエリックの手紙を見て、彼の元へ向かう事にします。妻のリンダも強く同行を希望した為、夫婦でエリックの元を訪ねます。
エリックの部屋は、荒れ放題で、彼自身も正気を失いかけていました。
最初は親友の事も判らなかったエリックでしたが、次第に正気を取り戻します。
スティーヴ達は、エリックの家に宿泊する事にしますが、直後からリンダもエリック同様 謎の幻覚に悩まされる様になります。幻覚を見せているのは、アンダーソン先生の悪霊に違いない。
3人は、自分たちに起きている問題の根源となっているアンダーソン先生の自宅跡地へと向かいます。こうして、邪悪な存在と化したアンダーソン先生との戦いの火ぶたが切って落とされたのでした。
少年時代に殺された先生が恨みを晴らす為に悪霊となり、成人した主人公達に嫌がらせをすると言うお話になります。
現実なのか?幻想なのか?観ている側も良く判らなくなりそうな展開が続くので、賛否が別れる作品だと思います。
忌まわしい相手に嫌がらせをしようと火を使ったら、大惨事になると言う展開は、「バーニング」と酷似しています。バーニングと違って、相手は死んでしまいますが。幻覚のパートは、「シンシア 悪夢の惨劇」を連想させる部分がありますので、真実か幻想か判らない感じの作品がお好きな方向けかも知れません。
ただ、スウェーデン映画で海外でも円盤化されているかも怪しい作品なので、視聴は非常に困難な映画になります。国内でBlu-ray化はまずしないと思いますし。
当時、ビデオリリースをしたFUNAIさんは凄いと思いました。👏
スウェーデンの映画と言うと、イングリッド・バーグマンの初期の作品位しか観た事がないので、貴重なフィルムを観た思いです。
言語が聴き馴染みのある英語だったので、観やすくて良かったです。😌