本日の懐かしのホラー映画は、「ジャイアント・クロコダイル」(1978)。
VHS別タイトルは、「人喰いワニ/ジャイアント・クロコダイル」。


第2次世界大戦で核兵器が使用された事により、放射線で巨大化したワニが人々を襲うパニック映画です。

主人公アンカンの妻子は、海水浴に出かけ、巨大なワニに殺されてしまいます。
妻と娘を失ったアンカンは、医者の職を辞し、妻子の敵討ちをする為に、ワニの研究に没頭します。
その間にも、巨大ワニによる襲撃で、多くの人々が命を落として行きます。ワニ退治をしようと、アンカンより先に罠をしかけようとした者も、返り討ちに遭ってしまいます。
アンカンと彼に協力する仲間達は、ワニが暴れる記録を頼りに、次の出没タイミングを予測。出没時期にあわせ、装備をして小型船で出発します。
アンカン達は、家族や犠牲になった多くの人々の仇を討つ事ができるであろうか。

珍しくタイで製作されたパニック映画になります。
スティーブン・スピルバーグ監督作「ジョーズ」の世界的なヒットにより、海洋生物パニックモノが大量生産される様になりました。
本作は、1980年代を代表するワニ映画「アリゲーター」や「キラークロコダイル」より前に製作された先駆者的な作品と言えます。
放射線により生き物が巨大化する設定は、古くから使いまわされていますが、本作で巨大化したワニを描写する手段として用いられたのは、「特撮」技術。

「ゴジラ」や「ウルトラマン」を代表する様に、特撮は日本が世界一だと思っていますが、タイの特撮も決して引けを取らないと感じました。
中盤、河川敷にある町を襲うシーンで特撮が大いに活用されています。ワニの襲撃で水流に巻き込まれる人々や、激しい水しぶきで吹き飛ばされてしまう人を
模型を利用して上手く再現していました。(人形を吊る糸が瞬間見えてしまうのはご愛嬌。🤭)
終盤、アンカン達を載せた小型船との対峙の際にも特撮は使用され、小型船舶より大きい体をしたワニの全体像が見事に表現されていました。👏

今の時代であれば全てCGで表現出来てしまうのだと思いますが、本作や「テンタクルズ」が製作された時代には無い技術であった為、特撮を駆使して表現する他なかったのだと思います。でも、この手作り感が自分は好きなので、懐かしい昭和の特撮作品を観ている
気分に浸る事が出来ました。
残酷なゴアシーンは控えめなので、近年の作品になれている方が観たら、少し物足りなさを感じてしまうかも知れません。

個人的に残念だったのは、英語や他の言語の字幕が本編に映り込んでしまっている点です。
観ていて煩わしく感じてしまいました。

本作で悪役とされる巨大ワニ、人を襲うのは良くない事ではありますが、ワニを巨大化させてしまったのは、人間の科学技術です。以前も触れた事がありますが、科学技術は人々を幸せにもするし、命を奪う凶器にもなり得ます。核兵器と言う凶器が生み出した悲劇と捉えると、ワニも自然界における被害者と考える事が出来ます。
映画なので、あまり深く考えず、楽しむのが一番ですけどね。(^^;

残念ながら、VHS止まりで視聴が困難な作品の1本となっています。こんなマニアックな作品を買い付けて来た当時の映像メーカーさんは凄いですね。✨

余談ですが、20年程前、オーストラリアを旅行した際、ワニ園に寄った事があります。
映画で観る様な激しく動きや獰猛さが全くなく、殆どのワニが置物の様に居眠りしている様子に驚きました。(当時、デジカメで撮影した画像を3枚ほど貼ります。)






とは言え、檻の無い場所で実際に触れてみたいとは思いませんけどね。(;'∀')
また、ケアンズでは、ワニのステーキを出しているレストランもありましたが、高額であった為、オーダーするのは断念しました。かなり高級な食材の印象です。

まだ、ワニちゃん映画はありますが、バランスを考慮して次はサメ・・ですかね。🤠