本日の懐かしのホラー映画は、「ルチオ・フルチのクロック」(1989)。
フルチ監督後期のTV映画になります。

沢山の時計を我が子の様に大事にしている大金持ちの老夫婦が田舎の山奥にある屋敷に棲んでいました。
屋敷には、家政婦と隻眼の庭師も同居しています。
老夫婦は、とある理由で甥夫婦を殺害し、チャペルに遺体を保管していました。その秘密を知った家政婦は次々と殺されてしまう為、皆短期間で居なくなってしまいます。
そんな異様な屋敷に、3人の若い男女が強盗に押し入ります。
庭師と老夫婦を殺害した瞬間、全ての時計が活動を停止します。
一時は、屋敷の占拠に成功した若者達ですが、屋敷の時計の力により、老夫婦と庭師が復活。
彼らの逆襲が始まります・・・。
本作は、VHS時代 地元のレンタルビデオ屋さんに置いてありまして、フルチ作品を借りまくっていた時期に初めて鑑賞しました。
出て来る主要な登場人物が全員「悪党」で全く救いがない。
本作を一言で括るとしたら、「因果応報」と言う言葉が相応しいかな?と思いました。
屋敷の時計達の力により、住人達や什器の時間が戻って行き、壊れた物が元通りになったり、死んだ者が生き返ったりする設定は、当時としては新鮮だったのではないでしょうか。
今なら、ジョジョのスタンド能力でもありそうですし、時間を繰り返したり、マルチバースなんて言葉が一般的になる位、時間に纏わる新しい解釈が映画
でも取り入れられているので、今となっては珍しくもないのですが。
ちょっと面白いのは、屋敷の住人達だけが最初は対象となっているので、老夫婦や隻眼の庭師の時間が戻っても、強盗に入った彼らの時間軸は進んだままなので、反撃に遭ってしまうんですよね。
更に時間が戻り、それ以前に死亡している者達も甦り、益々事態が混沌として行く訳ですが。😱
終盤のオチは観てのお楽しみですね。
TV映画の為か、普段より控えめながら、フルチ監督のグロ描写は本作でも健在。
キャストのポイントとしては、「サンゲリア」や「ビヨンド」等に出演しているアル・クライヴァーが隻眼の庭師ピーター役で鬼気迫る演技を見せてくれます。
VHSのパッケージは、アルのショットだけで買い!ですね。
有難い事に、キンレコさんからDVD/Blu-rayが発売されたので、今は比較的観やすい作品になっています。
個人的に、後期フルチ作品の中でもお気に入りの1作なので、是非オススメしたい1本ですね。