本日の懐かしのホラー映画は、「 大アマゾンの半魚人」 (1954)。 



ユニバーサルが製作した、ドラキュラ・狼男・フランケンシュタインの怪物と並ぶ、モンスター映画の1本で、後のクリーチャー映画に多大なる影響を与えた名作です。 


アマゾンを調査中の研究チームにより、水かきのついた人ざらなる者の手の化石が発見されます。 

その報せを受けた海洋生物研究所の調査チームがアマゾンのブラック・ラグーンへと向かいます。 

到着すると、そこにはキャンプを張り、番をしていた現地人の無残な遺体が。一抹の不安を覚えながらも、調査チームはブラック・ラグーンを潜水調査し始めます。 そして、ブラック・ラグーンに生息している現地人を殺したと思われる怪物(半魚人)が姿を現します。 


調査チームは、入江に毒物を流し、身動きが取れなくなった半魚人を生け捕りにする事に成功します。 

しかし、半魚人は既に入江にトラップを仕掛けており、トラップの流木で探査船が座礁している隙に、逃亡を図ります。半魚人の反撃に遭い、殺されて行く調査チームの面々。 遂には、海洋生物研究所 所長ウィリアムズ博士の助手・ケイが怪物に攫われてしまいます。 生き残った調査チームは、ケイを救出する事が出来るか。? 


 本編が始まり24分位から登場する半魚人の造型の見事なこと。とても、1954年製作の着ぐるみとは思えない素晴らしい出来で、本当に存在しているのでは?と思う位、リアルに作り込まれています。 


個人的に、「超電子バイオマン」のアクアイガーや「キン肉マン」のアトランティス、「ネクロスの要塞」のフィッシュマン、「帰って来たウルトラマン」の怪獣ムルチ等、魚系モンスターが好みなので、本作の半魚人の造型には人一倍感動しました。 



 もう一つのポイントは、所長助手 ケイ・ローレンス役 ジュリー・アダムスです。彼女の気品溢れる美しさに目を奪われてしまいました。😍

若い頃のジェニファー・コネリーや、「ハード・カバー~黒衣の死者」のジェニー・ライトが近い雰囲気を醸し出していると思います。

映像特典のキャストインタビューによると、元々ブラック・ラグーンに生息していた半魚人は、自分の領地を守ろうとしただけだと語っていました。つまり、人間の方が侵略者であると言う主張です。


そのインタビューで「ウルトラセブン」第42話「ノンマルトの使者」を連想しました。

このエピソードに登場するノンマルトの人々は、人類より先に地球に住んでおり、人類の方が後からやって来て、彼らを海底へと追いやってしまったと言うのです。人類の方が宇宙人で、かつ侵略者だった!と言う衝撃のエピソードです。

その視点で観ると、本当に悪いのはどちらだろう?と考えさせられます。


僅か79分の短い映画ですが、調査チームの中には生け捕りにして名声をあげたい野望を持つ人も居れば、安全を第一に早く現場を立ち去ろうと考える者が居たりと、人間模様も見事に描かれた傑作だと思います。


最後になりますが、「大アマゾンの半魚人」が2025年にジェームズ・ワン監督により、リメイクされる事が決定しました。これから再注目される事必至です。

未見の方は、リメイク版を観る前に是非。!