本日の懐かしのホラー映画は、「ノートルダムのせむし男」(1923)。

ヴィクトル・ユゴー原作「ノートルダム・ド・パリ」の映像化作品になります。
ディズニーのミュージカル映画「ノートルダムの鐘」を御覧になった方も居ると
思いますが、その実写版になります。(実写の方がホラー寄りかと。)
舞台はフランス、ルイ十一世の時代になります。
ノートルダムの寺院には、カジモドと呼ばれる異形の男が暮らしていました。
その男は、背中が曲がり、片目と耳が不自由で恐ろしい形相をしていました。
人々からは「せむし男」と呼ばれ、好奇の目で見られていました。
(背骨が弓なりに曲がる病気を「せむし」と言います。本作のタイトルは
「傴僂(せむし)」と漢字表記される事もあります。)
カジモドの仕事は、寺院にある巨大な鐘を鳴らしたりする事です。
カジモドの主人にあたるクロード大僧正にはジャハンと言う邪悪な弟が居り、
カジモドはジャハンの手下の様に使われる事がありました。
町には、エスメラルダと言う若く美しいジプシーが居り、自分のモノにしたい
と考えたジャハンは、カジモドを使って誘拐を試みます。
しかし、誘拐しようとした時、貴族の警護をしているフォッビュと言う若者に
阻止され、未遂に終わります。
捕縛されたカジモドは、町の中心で鎖に繋がれ、晒し者として罰を受ける事になりました。
一度は襲われかけたエスメラルダですが、カジモドの身を案じ、介護しようとするのでした。
そんなエスメラルダに恋をしたカジモドは、少しづつ人間らしい感情を持つ様になります。
先の誘拐未遂事件で自分を助けてくれたフォッビュと急接近したエスメラルダは、
恋仲になって行きます。
それが面白くないジャハンは、二人の逢瀬の時、背後からナイフでフォッビュを
刺し、逃亡します。
騒動を目撃した人々は、エスメラルダが刺したと誤解。
彼女を捕縛し、処刑する事にします。
カジモドは、捉えられてしまったエスメラルダを助け出し、ノートルダム寺院に匿います。
この事件により、騒動は更に大きくなって行くのでした。
特筆すべき点は、何と言ってもロン・チェイニー演じる「せむし男」のメイク。
「ヘルナイト」に登場する屋敷の住人の原型なのでは?と思ってしまう位に、
恐ろしい形相をしています。
オペラ座の怪人に引けを取らない見事なメイクを見ていると、ロン・チェイニー
と言う俳優さんの素顔が中々浮かばないです。(笑)
もう1つのポイントは、物語を彩るセット。
ノートルダム寺院をはじめ、町のセットが実に見事で、当時としては相当な製作費を投じたのではないかと予想しています。
本作は、ホラー映画にカテゴライズされていますが、異形の者が美しい女性に
叶わぬ恋をする物語なので、見方を変えると恋愛映画になります。
きっと、ディズニー版の映画は、もっと夢のある内容に変更して映像化している
のかも知れませんね。
実写でも何回か映画化されていますが、アニメ版も機会があったら観てみたいと
思いました。😃