本日の懐かしのホラー映画は、「ゴシック」(1986)。



後のメアリー・シェリー夫妻とメアリーの義妹クレアがバイロンの別荘を訪ねた時のエピソード"ディオダディ荘の怪奇談義"をケン・ラッセル監督が独自のタッチで映画化した作品になります。


ジュリアン・サンズがシェリー役、ナターシャ・リチャードソンがメアリー役、ガブリエル・バーンがバイロン役と、今観ると凄い豪華なキャスティングだな、と思う1作です。

 「阿片」が出てくる部分、絵画「夢魔」に関する描写は、同じ題材を扱った「幽霊伝説~フランケンシュタイン誕生秘話」と共通しています。


ディオダディ荘での日々を経て、メアリーは小説「フランケンシュタイン」を、医師のポリドリが小説「吸血鬼」を誕生させます。

幽霊伝説~が少し気だるい、幻想的なタッチだったのに対し、こちらはケン・ラセッル監督です。

本作の方が怪奇色が強く、奇妙な物語に仕上がっています。


本作を初めて観たのは、高校2年生の時。

その年(1992年)の夏は、テレビ深夜枠の映画をホラー映画で埋め尽くそうと言う日本テレビ独自の素晴らしい企画が実施されました。(他局は参加していません。)


ユニバーサル映画の古典「フランケンシュタイン」(ボリス・カーロフ主演)、続く「フランケンシュタインの花嫁」、「狼男の殺人」も本企画で放送されました。

極めつけが、お盆の1週間に放送された「真夏の夜のホラー」。


解説は水野晴郎氏。

第一夜(月曜日)「ポゼッション」、第二夜(火曜日)「エクソシスト」、第三夜(水曜日)「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド~死霊創世記」、第四夜(木曜日)「スポンティニアス・コンバッション~人体自然発火」、第五夜(金曜日)「ゴシック」と言う布陣でした。 


テレビで、この予告を観た時、「おぉ・・」と大いに興奮したものです。

何せ、水曜日のリビングデッド以外の作品は、地元のレンタルビデオ屋さんに置いていなかったからです。(あのエクソシストすら無かったと言う。(;'∀'))


連日、録画予約したのは言うまでもありません。

(今も録画テープはあります。)


その数年前、宮﨑氏による痛ましい殺人事件が起こり、ホラー映画そのものが危険物の様な扱いを受け、ホラー好きと言うのも憚られる様な雰囲気に世の中がなっていました。😰


テレビでのホラー映画の放送も、この事件を機に、激減したのは言うまでもありません。

そんな状況を経ての日本テレビの企画、大英断だった事と思います。👏


あの夏を経ていなかったら、今の自分は無かったかも知れません。


「ゴシック」は、一応サントラも過去に発売されていますが、組曲構成となっており、1曲がやたらと長くて聴き辛いです。

もう少し細かく構成して欲しかったな・・と当時購入して思いました。


本作は、ケン・ラッセル監督の独特な世界観がお好きな方向きの作品かも知れません。

個人的に、パッケージで象徴されている夢魔が一番インパクトがありました。

出番は一瞬なんですけどね。(;'∀')