先日、ドナルト・サザーランドの訃報を聞き、急遽追悼鑑賞に選んだのが「イナゴの日」でしたので、本日は「イナゴの日」(1962)の記事をアップします。



1930年代後半のハリウッドが舞台の映画業界の内幕を描いた作品です。

ウィリアム・アザートン演じる主人公のトッドは、大学を出たばかりでハリウッドへ来て、映画業界で働き始めた若手。

近所には、ヒロインのフェイ(カレン・ブラック)が父親と住んでいました。

バージェス・エレディス演じるフェイの父親が訪問した先で体調を崩し出会ったのが、もう一人の主人公・ホーマー(ドナルド・サザーランド)。

どこか、精神的に不安定な兆候を見せるホーマーだが、フェイに一目ぼれし、彼女の父親が亡くなった後も献身的に彼女に尽くします。


そして、終盤のハリウッドで開催されるプレミア・ショーで想像を絶する「悲劇」が起きてしまいます。


本作を初めて知ったのは、2010年。

INTRADA SPECIAL COLLECTIONシリーズでサントラが発売される事になり、映画そのものを知りました。(VHS時代、全く縁が無かったのです。)

カレン・ブラックのイラストのジャケットが強烈で、映画本編も気になりました。😆

幸い、DVDが発売されていたので、購入し、現在まで4~5回は鑑賞しています。


表の主人公を演じるウィリアム・アザートンは、「ダイ・ハード」の嫌な報道マン役が印象に強い俳優さんですが、主役を演じた作品もあったのですね。(笑)

途中退場となってしまうバージェス・エレディスは、つい「ロッキー3」で亡くなる直前のミッキーを重ねてしまいました。🥲


そして、裏の主人公(クレジットでは一番最初なので、本当の主人公でしょう)、ドナルド・サザーランド演じるホーマー。

いまにも爆発しそうな感情を常に押し殺し、最後に大爆発させてしまう難しい役どころを見事に演じ切りました。

彼の役が本作を大きく動かすので、一番重要な役柄であるのは間違いありません。

(彼の感情が爆発に至るまでの伏線が、本編で幾つか張られていますので、そこも 注目していただけると宜しいかと思います。)


プレミア・ショーで集まった人々が「暴徒」と化し、グチャグチャになって暴れる様は、まさに「イナゴ」そのもので、「エクソシスト2」のイナゴを連想しちゃいました。😱


終盤のパニックシーンは、ある意味ホラー映画より恐ろしく、1度観たら忘れられないトラウマシーンになる事必至です。


音楽は、「007」シリーズでお馴染みジョン・バリーが担当。

1930年代が舞台なので、どこかノスタルジックで美しい。

大好きなサントラの一枚です。(INTRADAでは、2016年にも曲が増えて再リリースされているので、サントラは少なくとも2回はリリースされています。)


本編で、カレン・ブラック達が歌うジーパーズ・クリーパーズもサントラには収録されています。(歌い手は、ルイ・アームストロングです。)

ジーパーズ・クリーパーズと聞くと、映画のジパクリを連想してしまうホラー脳な自分でありました。( ´艸`)



決してハッピーエンドで終わる映画ではありませんが、トラウマ覚悟でも興味を持たれた方は是非トライしてみて下さい。