本日の懐かしのホラー映画は、「 エイリアンドローム」(1980)。
名作「エイリアン」や他のホラー作品へのオマージュ溢れる、ルイジ・コッツィ監督作品です。


ニューヨークのベラザノ橋付近で、無線に応答しない船舶が航行中との連絡が入ります。
謎の船舶を調査する為、衛生局から医師が派遣されて来ます。
停泊している船舶の近くで待っていた警部補のアラスと共に、医師と調査団は、船舶の中へと向かいます。

人っ子1人居なさそうな船内を探索していると、船長らしき人物の惨たらしい遺体を発見します。遺体には、何かが内部から爆発して吹き飛んだ様な形跡が見られました。さらに一行は、もう1体の遺体を発見。
2人目の遺体は粉々に飛散しており、殆ど人の原形を留めていませんでした。見た限りでは、病原菌やウィルスではないらしい。

更に調査を進めていくと、コーヒーと思われる積荷のある船倉に辿り着きます。
輸送箱にはコーヒーと表記されていますが、転倒している箱には、うぐいす色の"卵"(カボチャ大)が幾つも入っていました。カボチャ大の卵の1個が近くのパイプ付近にも転がっており、パイプを通るお湯に温められ、今にも孵化しそうになっていました。
不用心にも調査員の1人が孵化寸前の卵を拾い上げると、卵が破裂。内部の液体が飛び散り、調査員達に降りかかります。卵の液体を浴びた調査員達は、血を流した挙句、胴体の内部から破裂し、尽く死亡してしまいます。
幸運にも、液体を浴びなかった警部補のアラス1人が助かり、一目散に現場から立ち去るのでした。

然るべき機関に通報したアラスでしたが、拘束された挙句、6時間も除染室に閉じ込められ、我慢の限界に達しようとしていました。
そんなアラスの前に、今回の事件を担当するステラ・ホームズ大佐が現れます。
権力に逆らえないタイプのアラスは、あっさりと怒りを引っ込め、ホームズ大佐に協力する事にします。
船倉にある卵の箱は、軍により冷凍処理が施され、破裂した卵の残骸は調査のため持ち帰る事になります。研究施設にて、破裂した卵に残った液体をネズミに注入すると、あえなくネズミも破裂して死亡。アラスが船内で見た光景が、ネズミでも再現されたのでした。
卵が地球外の物体であると言う結論に達しますが、一体どの惑星のものか皆目見当もつきませんでした。

ホームズ大佐は、火星を初探査した英国人の宇宙飛行士・ハバードの事を思い出します。
帰還後の査問会では、皆より"狂人"扱いされたハバードでしたが、彼なら卵の事を知っているかも知れない。その一縷の望みに賭け、ホームズ大佐とアラスは隠遁生活を送るハバードを訪ねる事にします。
火星探査の一件で狂人扱いされ、職も失ったハバードは、まるで廃人の様に酒浸りの日々を送っていました。そこへ赴いたホームズ大佐は、彼に卵の事を尋ねます。
火星の洞窟で大量の卵と謎の光を見たと証言するハバード。火星に同行した相棒のハミルトンは、そんなものは見ていないとハバードの証言を否定。
彼を狂人扱いするキッカケを作ったのでした。しかし、そんなハミルトンも飛行機事故で他界し、ハバードだけが唯一の頼りでした。ホームズは、ハバードを何とか説得し、アラスと3人で船に積載されていたコーヒーを取扱う南米の会社を訪問する事にします。

南米でコーヒー会社を経営していたのは、死んだと思われていたハバードのかつての相棒ハミルトンでした。ハミルトンは、火星から持ち込んだ卵を培養し、世界を破滅させようと企んでいたのです。そんな彼にとってハバード達は邪魔以外の何者でもありません。
南米へ調査に来た3人に、危機が迫ろうとしていました。

本作を初めて知ったのは、高校生の時でした。
1992~1993年頃、CINEVOXからリリースされていたゴブリン系サントラを国内レーベルのSLCが続々とCD化していました。
「フェノミナ」「オペラ座血の喝采」「パトリック」「ザ・ショック」(音楽:イ・リブラ)、そして「コンタミネーション」。
アルジェントの2作は知っていたので購入したのですが、後半3タイトルはビデオで観た事がなく、知らない作品であった為、当時は購入しませんでした。
(今の様に自由に使えるお金は少なかったので、選んで購入していました。)

それから8年の歳月が流れ、西暦2000年。同じくCINEVOX(伊)から「コンタミネーション」のCDが曲も増えて再発されました。(冒頭写真の青いジャケットのCDです。) この頃には社会人になっていたので、渋谷のタワレコで見掛け、直ぐに購入しました。
学生当時購入出来ていなかったゴブリン系サントラをようやくゲットできたので、一刻も早く聴きたくなり、帰りの電車の中で聴きながら帰宅したのを今でも憶えています。今はなき、CDウォークマンで。
そして1~2年後。勤務地の方にあるブックオフで「エイリアンドローム」(日活)と言うレンタル落ちVHSと出会います。確か950円位だったと思います。
今までお目にかかった事がない作品で、かつホラーと言う事で即購入し、直ぐにアパートで鑑賞しました。この時、初めてアルバム「コンタミネーション」=「エイリアンドローム」である事を知ったのです。
(今の様に直ぐネット検索すると言う習慣がありませんでした。)

液体がかかり、内臓が"北斗神拳"みたいに破裂する。全く原理の理解できない意味不明な展開でしたが、映画の世界観は1度観ただけで好きになりました。日活さんの北斗神拳~の表現に当時爆笑したものです。🤣


幾度か繰り返し観ましたが、後半の南米を舞台にしてからのシーンが強く印象に残りました。

割と好きな作品だったので、海外盤Blu-rayを集める様になった2020年の早い段階でArrow社からリリースされているBlu-rayを購入しています。
その後、ホラマニ13期にラインナップされた時は、大いに喜んだのでした。

物語中盤から登場するイギリスの宇宙飛行士ハバード役を演じているのは、イアン・マッカロック。「サンゲリア」(1979)、「人間解剖島 ドクターブッチャー」(1981)にも出演したので、ホラーファンにはお馴染みの俳優さんかと思います。
ハミルトンの部下役を演じるジゼラ・ハーンはドイツの女優さんで、ロミー・シュナイダーっぽいな・・とビデオで観た当時から思っていました。
ヒロインではなく、悪役と言うのがポイントですね。

本作は、リドリー・スコット監督の「エイリアン」(1979)に感銘を受けたルイジ・コッツィ監督が、製作陣の色々なリクエストを織り交ぜて製作しました。「放射能X」(1954)、「ボディスナッチャー/恐怖の街」(1956)等へのオマージュが感じられる 内容となっていますが、決して「パクリ」ではないとインタビューで主張していました。

コッツィ監督の作品は、「スター・ウォーズ」(1977)に感銘を受けて製作した「スタークラッシュ」(1978)が有名ですが、個人的にはチプリアーニ先生の素晴らしいスコアが堪能できる「ラストコンサート」(1976)がお気に入りです。コッツィ作品としてホラービデオカタログ未掲載タイトルになりますが、ダリア・ニコロディの「パガニーニ・ホラー/呪いの旋律」(1988)、フローレンス・ゲラン嬢の「デモンズ6/最終戦争」(1990)は、いずれ本ブログでも取り上げる予定です。

最後に終盤に登場する火星の生物「サイクロプス」について触れたいと思います。
サイクロプスの登場は、本作最大の見せ場になりますが、実際には全然動かないハリボテを何とか動いている様に見せていたと特典インタビューで監督が語っていました。
確かに全体としては動いていませんでしたが、触手を動かしたり、目を光らせたりして、それなりに生物感が出ていた様に思います。

初めてビデオで観た時は、マジック・ザ・ギャザリングのクリーチャーカード"Cosmic Horror"を連想してしまいました。


マジック・ザ・ギャザリングは、アニメ「遊戯王」に登場するカードゲーム"デュエルモンスターズ"の基となったゲームです。

シリーズ初期のレトロ調の絵柄に魅せられ、20代前半 マジックのカードをコレクションしていました。(シリーズを重ねるに連れ、イラストが自分の好みから離れてしまったので、自然と離れてしまいました。。)
特に、Melissa Benson氏が描くクリーチャーが大好きで、今でも残してあります。

話をサイクロプスに戻します。
本作のサイクロプスはエイリアンと異なり、念力の様なものを使って人間を操る事が出来ます。操られていたのはハミルトンだけだと思いますが、遠隔でも利く念力の様で凄いな・・と思いました。(笑)
本作の「エイリアン」ぽい要素は、「卵」と「人体の内部破壊」だけなので、個人的にはパクリとは思っていません。愛あるオマージュとして捉えました。
Blu-rayでは、サイクロプスのヌルヌル感やシルエットが鮮やかになっていて、輸入盤で初めて観た時は感動しました。卵の気持ち悪さも、Blu-rayで断然向上していましたね。

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