小学生の頃、校庭で飛行船を見た。
ゆったりと青空を進む様子は鯨のようだった。
記憶の中では美化されて真っ白い機体だが
実際はカラフルな広告であまり風情が
なかったのかもしれない。

小さな体で広い校庭から見上げた飛行船は
少し不気味で美しかった。

二度目の記憶は、高速道路上で見たものだ。
学生時代、家族で臨海地域に向かっていた。
その日も快晴で、やはり記憶の中では
白い機体だ。
暑い季節だった気がする。

もはや本当に見たのか不安になる程
その光景が脳裏に焼き付いている。

大人になった今、もう一度見たいのだけれど
どうやらもう飛んでいないらしい。
まぁ綺麗な記憶で残っているので
それはそれでいいのかも?

アドバルーンもあまり見なくなったので
たまに見かけると嬉しいよね。
遠くに大きな風船が見えた時、
いつもの街なのに少し〝おかしく″見える。
異質で、取ってつけたようなメルヘンって感じ。
そんなとこが好き!

ネオンもいいけどまだもう少しこの
アナログ広告を味わってたいな。