2022.10.4. もくじリンクを貼り直し、文言を一部修正
どうもこんにちは。
ずっと英語でプレイしていたので、久々に日本語でプレイすると翻訳が新鮮ですね。
感嘆するような訳もあれば感心しないような訳もあり、なかなか面白いです。
notの訳し忘れなんかもあって「大丈夫か!?」ということもあったり。
PS5で出るという発表があったので、訳が見直されるとうれしいですが、どうなるんでしょう?
今日もInscryptionのストーリーを考察していこうと思います。
ネタバレ注意!
考察記事もくじ
表記について
目次
▶︎採取室の3人
▶︎必ずFALSEになるIF
▶︎ネットに接続した世界
▶︎お前には脚がある
引き続きマグニフィカス論Ⅴになります。
予告した通りAct3における介入の話と、P03が自分でカメラを見に行かなかった件について書いていきます。
採取室の3人
必ずFALSEになるIF
前回までの一連のマグニフィカス論において、マグニフィカスはゲームリセットのためのプランを実行するために、
「マグニフィカス.????」やスライムを使って3D世界へ介入しようとしたのではないか……という考察を展開してきました。
では介入しなかったのか? と言うと、考察上は「介入していた」と考えます。
あの「ネットワーク待機中…」と「私はロボットではありません。」こそが、
マグニフィカス(や、レシー・グリモラ)による介入の結果だったのではないか?
「私はロボットではありません。」は一見すると他の「簡単なパズル」と変わらないように見えます。
アカウントを作るのに、自分がプログラムではないことを証明するためによくやるようなパズルですよね。
こうした「パズル」はP03にも解けるような内容です。
感情を選択するものは一見P03には難しいようにも見えますが、
「この感情は? プライドか?」(Act3,ダズリンバスティオンに入った時)や”MORE DRAMATIC THAT WAY.”(最後のウーバーボット打倒時)といったセリフから、
P03が感情を持つ・理解できることが分かります。
それに対し、「私はロボットではありません」はP03にとって間違いなくFALSE(偽)になる質問です。
P03がロボット(機械、アンドロイド)である、というのは採取室での3スクライブが発言するほか、
Act2最終決戦でP03以外のスクライブを選択した際のセリフや、Act3でのRebechaのセリフでも確認できます。
この考察では、スクライブたちはゲーム上の設定に人格が影響されていると考えてきています。
例えば#10では、レシーが死のカードを作成することについて、「獣」と「フォトグラファー」としての側面から考察しました。
それに沿って機械としての性質を考えると、確実にFALSEである質問に、TRUE(真)と解答することを拒んでしまうのではないか。
それを逆手に取って、採取室に降りるためのパズルを挑戦者にしか解けないようにしたのではないか。
ネットに接続した世界
それでは、それがなぜ「ネットワークを待機中…」になっていたのか?
ここについては根拠のない、ほぼ憶測の仮説になってしまうのですが、
ネット(WEB)に接続=外部からの干渉を受けられる状態になることを利用したのではないかと考えます。
不シギとのバトルでは、「お友達」のカードが出てきたり、ネットを介してカードをやり取りしたりといった外部との交流が発生します。
さらに、不シギ戦後のボットピアでは、各地にその場所に関連する写真が出現します。
Inscryptionはネットに「晒されて」いる、とも言えます。
マグニフィカスはAct2のグリモラ宛の手紙で、
「大いなる超越」が「一般的な力の掌握の範囲をはるかに超えているかもしれない」、
「大混乱を巻き起こし、どんな結果を生むかわからない」と書いていることから、
この時点で大いなる超越の内容を予見しており、その中にネットへの接続が含まれることを知っていた。
そして、ネットに接続されれば、カメラが一つ故障する程度では必ずしも3スクライブによるものと断定できなくなると考え、
ネットに接続されたタイミングで採取室のカメラが破壊・パズルが起動されるように仕組み、
挑戦者だけが自分たちとコンタクトを取れるようにしたのではないか。
こう考えると、リフトが二度目以降動作しなくなることも説明がつきます。
一度挑戦者にプロットを伝えてしまったら、リフトが動作することはリスクにしかなりません。
なお、この場合P03はパズルの内容が「ネットワーク待機中…」「私はロボットではありません。」となっていたことに気付いていなかったことになります。
挑戦者に採取室のカメラを見に行かせるには「採取室には問題なく降りられるもの」と認識している必要があります。
そのため、挑戦者がそれまで採取室に降りなかったのは「単にパズルを解かなかったから」ということになります。
それでは、Act1のような明快さがないのはなぜかと考えると、
一番大きいのは監視カメラの存在だと思います。
P03の工場にはあちこちにカメラが設置されています。
スライムも挑戦者が近くにいない時はパイプの中に隠れているようです。
しかもカメラが破壊されるとP03に通知が届くようになっているらしい。
監視カメラ以外の要因として、
Act1の時にオコジョとしてP03が援助したことを考えると、
マグニフィカスの介入の手法がP03にバレていた可能性もあります。
そのため、Act1ほど派手な動きはできなかったのではないか、というのが考察になります。
「お前には脚がある」
この仮説で必要になってくるのは、「なぜP03が自分でカメラを見に行かなかったか」の説明です。
P03も席を立って移動することはできると考えられます。
Act1のレシーは席を立って隣の部屋に移動していますし、挑戦者敗北時は視界からして恐らく挑戦者を引きずって歩いています。
したがって、3D世界でGMをやっているから離席不可能、ということではなさそうです。
さらに、Act2ではレシーが負けると「その顔を見」るためにP03がわざわざ小屋までやってくるため、
P03そのものも移動することはできるはずです。
バッテリーや、ピースを取りに行かせるのは分かります。
テーブルゲームを進めるためのものなので、
Act1で言うところの、ろうそく(敗北時の命令)やフィギュア(再開時の頼み事)の扱いです。
「お前には脚がある。」というセリフは、
P03「は」脚がないことを言うのではなく、挑戦者「も」脚がある=移動できる、
だからお前が取りに行け、ということでしょう。
しかし、カメラが壊れたという、比較的重大なインシデントをなぜ自分で解決しようとしなかったのか?
採取室のカメラが壊れたという通知を受けた時のP03の「大問題にはならないはずだ。」の原文は”PROBABLY IT IS NOTHING.”です。
ここでの心配要因は恐らく、カメラが壊れたのが「他のスクライブによるもの」の可能性があることでしょう。
PROBABLY、ということで字義的には「問題はない」ことに対する確信の度合いは高いです。
これを言葉通りに受け止めるか、自分に言い聞かせていると取るか。
「言葉通りに受け止める」の方が考察する側としてはめちゃくちゃ助かるのですが(!)、
通知を受けた時の「なに?!」や、カメラを見に行かずに着席した際の強い反応、
考え事などの際に用いられる「…」の顔から考えると、
「自分に言い聞かせている」の可能性の方が高そうです。
では、問題があるかもしれないのに、なぜ自分で席を立ってカメラを見に行かなかったのか?
ここも論拠に乏しく大変困るのですが、
敢えて考えるのであれば「『大いなる超越』の確実な実行を優先したかった」のではないか、と思います。
不シギ戦直後の出来事なので、少なくとも不シギと、フォトグラファーかアーカイビストのどちらかを倒していることになります。
いずれも、大いなる超越の準備として用意されたボスです。
ここでもしP03本人が離席した場合、その隙に他のスクライブがこれらの準備を台無しにするリスクがある。
最悪のケースで言えば、完全なアクセス権取得済みの場合、
グリモラが最後に行ったようにInscryptionの削除さえ発生する可能性があります。
さらに、どうやらゲームリセットのためにはニューゲームカードを奪取するだけでなく、
支配者たるスクライブを物理的に無力化する必要がある可能性があります。
ニューゲームカードが入っているらしい箱は、精錬場に入って右側に置かれています。
これの開封条件が不明だったのですが、どうやらオリジナルカードの作成が条件になっているようです。
恐らく、スキャンするためのボットをラインに流す→コンベアーが動く→箱が落ちて開いてしまう、でしょう。
つまり、プレイの仕方によっては比較的早期の段階で「ニューゲーム」カードの解放が可能だということになります。
だとすれば、採取室で「ニューゲーム」カードを使ってゲームをリセットさせることも理論上は可能なはずですですが、
実際はそうはならなかった。
そうすると、支配者たるスクライブ(Act1であればレシー、Act3であればP03)を完全に無力化しなければ、
支配者によるデータへの介入により、「ニューゲーム」を復活させることはできないと考えられる。
もし「支配者たるスクライブ要無力化説」が正しいとすれば、スクライブがいるかもしれない採取室にP03自身が向かった場合、
まさに飛んで火に入る夏の虫、その場で破壊される可能性があるということです。
挑戦者がカメラを直さず戻ってきた時にP03が発言したように、
「大いなる超越が終われば、何もかもどうでもよくなる」。
だからリスクを取らず、大いなる超越の確実な成功を優先したのではないか、
というのがこの件の考察になります。
◇
ずーーーーーーっっっと「精錬場」を「製錬場」と書き間違えていたことに気付きました。何箇所直したらいいかすら分からない……。
記憶だけに頼るのはやっぱりよくないですね。
「採取室」も本当に採取室であってるか……? と不安になったので確認しました。大丈夫でした。
次回水曜日もたぶんマグニフィカス論です。マグニフィカス論はあと2回くらいで終わる予定です。
ちょっと体調がイマイチなので、どこかで一度お休みをいただくかもしれません。