※オススメ漫画※『アドルフに告ぐ』手塚治虫 | ★もちまい★LOHASな自由人のブログ♪

※オススメ漫画※『アドルフに告ぐ』手塚治虫

アドルフに告ぐ (1) (文春文庫―ビジュアル版)/手塚 治虫


とてもおもしろかったです。
1回目読んだ時、2回目読んだ時とまた違う感想をいだきました。

(2011年にアップした内容を加筆・修正しています)


図書館で借りられますので是非読んでみてもらいたいですマンガkirakria*


歴史や戦争・人種差別、思想・教育・愛など
様々なテーマが含まれていて深い作品です。

ミステリー要素がまた面白かったです。

※こちらで50ページまで立ち読みできます。
http://tezukaosamu.net/jp/manga/14.html



【概要】上のリンク先より引用
第二次世界大戦当時の日本とドイツを舞台に、アドルフという名前をもつ3人の男がたどった運命を描く長編マンガです。
1936年、ベルリンオリンピックの取材でドイツにきていた峠草平は、そこで留学中の弟が殺されていることを知ります。
やがて弟が殺された理由が、彼がアドルフ・ヒットラーの重大な秘密を文書にして日本へ送ったためであることが明らかになってきます。
その文書とは、ヒットラーにユダヤ人の血がまじっているという出生の秘密を明かすものでした。


一方、神戸に住むドイツ総領事館員のヴォルフガング・カウフマンも、本国からの指令を受けて、その文書の行方を追っていました。
そのカウフマンにはアドルフという息子がいました。
カウフマンはアドルフを国粋主義者として育てようとしていましたが、アドルフは、自分と同名のユダヤ人アドルフ・カミルと親友だったため、ユダヤ人を殺してもいいと教えるナチスドイツの考え方には反発を感じていました。
けれども、アドルフ・ヒットラーという独裁者が支配する恐怖の時代に、ふたりのアドルフの運命は大きくねじ曲げられていくのでした。 
-------------引用ここまで------------------

※手塚プロは、手塚治虫の作品を多くの人に広めたいと考えていて

  作品の個人的利用に関してはかなり寛大です。



ここから作品の紹介と私の感想になります。

 

 


当時のドイツ人は、ヒトラーを尊敬させられていました。

怖いと思ったのは、それを子供に洗脳していたこと。


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(C)手塚プロダクション


誰か特定の人に、特別な敬称をつけさせる。
食事の前には「ハイル・ヒットラー」。

北朝鮮なんかを思い浮かべるかもしれませんが
今の日本でも子供に自分の思想を押し付けている人は多いかも。

ものによっては教育のうちでもありますが、
好き嫌いや、尊敬するしないは、自分が感じ・判断することでしょう。

 

 

 

 

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彼らは大した根拠もなく信じてしまうのでしょうか・・?

 

 

 

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メインの主人公は峠草平という↑こちらで「やれやれ」と言ってる人です。
この作品は峠草平が見てきたものを残した記録という設定です。

そしてドイツ人と日本人のハーフであるアドルフ君ですが、
一番上のコマの様に最初はヒトラーを信じていなかったのですが
ドイツへ行ってすっかり洗脳されてしまいました。


そしてどうなったのでしょうか。



※※ネタバレ注意※※

 

 

 

 

 

 

 

 

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アドルフ君の愛した女性はユダヤ人でした。

彼は、ナチスと彼女を両立しようと思いましたが、うまく行きませんでした。
彼女だけを日本に逃したのですが、彼女は日本のアドルフ君と結婚してしまいます。


その後、アドルフ君は、ナチスから秘密文書を持つ人間の殺害を命令されるのですが
その人間は、母親の再婚相手でした。



いろいろあって、アドルフ君は母親に勘当されるのですが、
その時の母親のセリフがかっこいいです。
 
(C)手塚プロダクション
 
 
この時、このママは戦争やナチスの思想が憎らしかったでしょう。
息子と永遠に別れることになるのだから。
 
アドルフ君は小学校まで日本にいたのですが
ドイツの学校へは父親が無理やり入れてしまいました。
 
そのせいでこんなことに・・・泣く
 
 
 
けっきょくそのまま母親は空襲で戦死してしまいまうのですが
母親が危篤の時に、秘密文書が見つかり、同時にヒトラーが自殺します。

家族を捨ててまでヒトラーに尽くしたアドルフ君は
全ての希望を失ってしまいました。



ヒトラーが死んで終わらないのがこのマンガのすごいところだと思います。
 
その後、第二次世界大戦は終わり、
ナチスに迫害されてきたユダヤ人難民達は
パレスチナに「イスラエル共和国」を建設します。
 
※紀元前はるか昔、この地にイスラエル王国があったのです。

でも、時代は20世紀。
それまでの長い間に、ローマ帝国とかオスマン帝国とかいろいろ
世界史でやったように支配国が変わっています。

この時すでにアラブ人が住んでいました。
 
 
パレスチナ問題についてはいずれ書くかもしれませんが
今回はネット等でご自分でお勉強していただくとして、
この漫画では、なぜかアドルフ君がパレスチナにいます。
 
そして、親友のアドルフ・カミル君もパレスチナで
アラブ人と戦っています。
 
そして、今度はユダヤ人がアラブ人を虐殺する側にまわってしまいます。
 
親友がアドルフ君の奥さんと子供を殺してしまいます。
 
そして、親友同士で殺し合いをして、最終的にはカミル君の方が生き残り
カミル君が寿命で死に、この物語は終わります。
 
 
 
ユダヤ人は、ヒトラーから酷い仕打ちを受けましたが
自分がやられて嫌なことはしない、という考えはなかったようです。
(自分がしてほしいことをせよ、ってのは新約聖書だったかな?)
 
これが今でも続いているのだから、
まだ自分は戦争の時代を生きているのだと感じました。
 



この漫画でよく出てきたキーワードは「正義」です。

みんながそれぞれの正義をふりかざしたため、
争いが起こってしまいました。


ドイツでナチス党は12年ほど続きましたが、
その間テレビなどで上手に国民を洗脳していたのだと思います。
人種差別的な考えは、昔は普通に多かったようですし
当時のドイツではナチズムの考えを持つのが普通のことだったのだと思うと不思議ですね。
 
 
でも、当時のドイツでもナチズムに反対しているドイツ人はいました。
 
周りに流されないで自分の意見を持つ人はいつの時代もいるんですね。
 
「人種差別はしない」というような考えは自分の内側にあるものなので
組織や指導者が崩壊して自分を見失うことがありません
 
 
私はこれを食生活と繋げて考えてみました。
 
「動物がかわいそうだから、殺してお肉を食べることはしない」
という考えは内側のものなので崩壊することはありません。
 
でも、この食べ物は栄養があるから、体に良いからと選んでいると
「今までの栄養学はぜんぶ嘘でした!」って言われた時に呆然としてしまいますよね笑
 
もし自分がナチズムの時代にドイツ人だったら
ユダヤ人を迫害していたのではないか・・・と考えてしまいますよね。
 
そうならないためにも、自分の考えを持って生きたいと思います。
 
 



※掲載画像の閲覧以外の利用は一応禁止しておきます☆
  個人的に手塚プロより入手お願いします。