昨日の海外市場では、欧州不安が多少なりとも和らいだ。
スペインの国債入札が無事に終了したことと、EFSF債の3ヶ月
ものの入札が消化できたことによる。マーケットはいっせいに
リスクテークへと向かい、欧州時間の間は株高とユーロ高が
継続した。日経先物も東京市場での高値である8565円を上抜
けしてきて、8610円まで急騰。実態のない空中戦の領域に入る
こととなった。
ニューヨークオープンになっても株高は続いていた。ただ経済
指標が悪かったことや、メルケル首相が基金の上限を上げるの
に反対だと言って、ユーロが急落しているという外部要因の悪化
は進んでいた。株価の値保ちが良かったのは、ひとえにFOMC
の政策期待だけ。そもそも何を期待しているのかわからないが、
QE3でもやってくれると思っているのだろう。誰も思っていないだ
けに、実際に金融緩和をやったらグレートサプライズであること
には間違いない。
しかしバーナンキ議長は教科書的なアクションしかしない人だ。
期待はしたかもしれないが、まったくの予想通りの結果になって
しまった。QE3については言及なし。しかし国内景気については
改善傾向であることを認めており、前向きな姿勢がうかがわれた。
相場はすぐに反応しきれなかったが1時間くらいしてニューヨーク
クローズが近づいてくる頃になって、ようやく株価は下落。S&P先
物は今月の安値を下回ってきて、投げ売りを誘った。日経先物も
8445円まで差し込んだが、このままアジアオープンとなると日本
人が買ってくるだろうという思惑から、8500円台まで戻して終了。
次の相場展開はやはり夕方以降が注目だ。
日本時間 13時30分