昨日の海外相場も小動き。米国株は高値攻めの局面もあった
が、原油高やポルトガルの事実上の支援要請で、ニューヨーク
クローズにはかなりの上昇分を吐き出して終了した。

 本日も日本売りの展開に変わりはないようだ。為替相場では
円の独歩安が顕著になってきて、ポンド円は139円に、ユーロ
円は122円台にまで急伸している。円売りが外人勢の円アセッ
トの取り崩しにつながっているのは明らかだ。株価が下がるの
はリスク資産だから仕方がないにしても、今週に入って目立つ
のは円債の下落である。

 巨額の財政赤字を抱える中で、失われた20年といわれながら
も、なんとかやってこれたのは円債が高かったからである。つ
まり長期金利が異常に上昇することもなく、国庫の資金コスト
が跳ね上がらなかったからである。目先の円高に振り回されて、
コンベンショナルなやり方で行った円売りの為替介入が、悪い
方向に結果が出そうになっている。


 このまま円安の流れが続いてしまい、ドル円が90円台になろ
うものならば、株価の急落と円債のミニ暴落は避けられそうも
ない。果たして今の官僚に任せっ切りの政府で、いざという時
の円買い介入が出来るかどうか。


 いま日本企業の生産が落ち込んでいるので輸出アセットも
減少している。絶好の好機であるはずなのだが、被災者救済
や原発処理と同じで場当たり的にしか対応せず、何もやりそ
うにないのがとても歯がゆい思いがする。


日本時間 10時00分