※不思議体験 実話
怖い話ではありません。前世帰り①・②を読んでから本文をお読みください
仲間達と前世帰りをした日から数日が経った。Yは急激に霊感が開発されたようで、音楽の授業中に幽体離脱をして遊んだりしていた。
Y :「幽体離脱して空の上へどんどん登っていくと、見えない天井があるんだよ。抜けようと思っても、ツルッ、ツルッてすべって抜けられない〜!」
私 :「それって死なないと抜けられないヤツじゃないの?」
Y : 「やっぱりそう思う? なんか、さくらもちの顔を見てるとトリップしそう・・・」
Yは霊を自分の身体におろすこと(前世帰り)をした影響で、霊感が爆上がりトランス状態に入りやすくなっていた。当時の私達はトランスという言葉を知らなかった。Yはトランスに入ることを、『トリップする』と表現していた
Yの顔がトロン…としてきた。廊下で立ち話をしていた私達はとりあえず部室へ移動して、Yを椅子に座らせた。EもOもすでに部室に居た。
間もなく、Yに誰かが入ったのがわかった。
「え?誰?」と思わず聞くと、返事はない。いろいろと質問してみたが、首を横に振ったり、手を動かしたりするが返事はない。どうしたらいいんだ?? 時間だけが過ぎていく。緊張感が漂っていた。
私がなんとなく思いつきで、Yの肩をポンポンと叩き「あなたは誰?」と尋ねると
「あ〜!やっとかよ! もっと早く気づけよ〜!」と、Yの身体に入った誰かが言った
「あんた誰?」Eがつっこんだ
「俺だ。テツだ」
「なんだぁ。てっちゃんかぁ〜!」
安堵の空気が流れる
てっちゃんが説明を始めた。
「この間、お前らに呼び出されてここに来たけどよ。上に帰る時に振り向いたら、女が自殺してるじゃねえか。」
「え?自殺?」
「こうやって刺してただろ」てっちゃんが胸を突いて見せた
「あ!もしかして泣いてた女の人のこと?」
「うちわの柄でYの胸を突いてたけど、それが自殺ってこと?」
「そうだ。あの女がYに憑いてるぞ。まぁ、俺が追い払ってやってるけどな。だからYは女が近づいてくると気持ちが落ち込んで、俺が近づいてホイホイッと上げてやると元気になってるんだ」
てっちゃんは手を上にあげるしぐさをした
てっちゃんは説明を続けた
Yに憑いてる女は来月あたり命日になるらしい。そして命日に向けてどんどんパワーが強くなるから、Yが危ない。下手すると連れていかれるぞ!とマジな顔で私達を脅してきた
てっちゃんは暫くの間、Yを守ると約束してくれた
つづく
※補足 こういう『取り憑かれる』事はふつうによくある事です。今回はYがトランス体質+霊感あるから、てっちゃんを身体に下ろして皆と会話ができるという特殊な環境をつくっています。