『福田恆存の言葉ー処世術から宗教まで』(福田恆存)。
「日本に喝!」。
本書(本文221頁)は、以前、貪るように読んでいた福田恆存氏のものが何かないかと久々に探していた時、偶然、目に留まった一冊。
まず、本書の構成をリストしておきたいと思います。
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はじめに
1・処世の技術
2・近代化の逆説
3・状況を読む
4・精神の近代化
5・言葉という道具
6・己とは何か
7・強者と弱者
8・神は理解できるか
あとがき
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本書の「はじめに」の浜崎洋介氏、「あとがき」に福田透氏が付属しています。
今回は、4・「精神の近代化」から。
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「芝居の世界だとよく分かる」
芝居はご承知のように実人生を、そのままということはありませんけど、大体実人生をありのままに演ずる。
したがって、実人生に近い芸術形式であるわけです。
ですから、その点でよく芝居の中で今の近代化に対する適応異常というものが出てくるとすれば、それはわれわれの実人生における適応異常を証拠立てているものだというふうに思います。
(P84・85)
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(2024・5・27読了)