『日本の美を求めて』(東山魁夷)。
「日本美の根源」。
本書(本文119頁)は「読書のすすめ」さんのおすすめの一冊にあがっていた一冊。
1976年9月に発刊されたもの。
日本画壇の第一人者であった著者によって著された、詩的随想といってもいい一冊。
まず、本書の構成をリストしておきたい。
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まえがき
風景
唐招提寺の魅力
山雲涛声
やまとしうるわし
二つの故郷の間に
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その本文の中から、いくつか自分の琴線に触れたものを中心に抜き書きし、ご紹介していければ、と思います。
今回は「山雲涛声」から。
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「時というものは最大の芸術家」
この「山雲濤声」が、あるいは百年、二百年ののちに、時の作用によって、よごれきずついた状態になりましても、おそらくいまよりも、深みとか、芸術的な高さというものは生じてくるとは思われるのですが、しかし絵画というものは、あの和上のご尊像のような乾漆の像とちがいまして、そんなに長くもつものではありません。
(P68)
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(2024・4・29読了)