『社員が自主的に育つスゴい仕組み』(末永春秀)。
「人材育成」。
8年前にFacebookに投稿した記事を加筆・修正の上、ブログに移植したものです。
タイトルは「社員が自主的に育つスゴい仕組み」(末永春秀)で語られようとしているテーマからとりました。
私は本書を現在勤務している、前職の関係会社の場合やいかに、と考えながら、拝読させていただきました。
どこの企業においても、即戦力となる人材の育成は喫緊の課題になっていることに異論を挟まれる方は少ないと思料します。
本書の『はじめに』は、大同生命が行った「経営者1万人アンケート」の結果である数字の一部が引用されていますが、経営上の課題としての「従業員の採用・育成」が多いと指摘されています。
それに反するように、人材が人財として育っていないという現実。
なぜ、それが遅々として進まないか、について、そうなる経営者の15の共通点、そして「旧来型指導」や「儀式的人事考課」などについても見事に、その問題点を喝破されています。
それを記していくと、冗長になるきらいがありますので、その問題提示については本書に譲ります。
『人材育成12カ条』という、著者がまとめたものを皆さまにご紹介するとともに、経営者と人事考課をされる方の参考に供したいと存じます。
また、227頁以降の『補足資料』でシュミレートしていただけたら、と思うものです。
本文だけで、226頁のボリューム。
その役割を担われる皆さまには、さほど読むことがご負担にはならぬ、と考えます。
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《人材育成12カ条》
人材とは「経営理念を現場で具現化する人」
育成とは「できないことをできるようになるまで持続して支援し続ける人間的活動」
『第1条』
仕事のビジョン・目的を明確にする。
『第2条』
仕事に必要な「基本の体得」を徹底する
『第3条』
部下に信頼してもらう前に、自分から部下を信頼する。
『第4条』
上司として部下よりも仕事でチャレンジし、部下よりもはるかに努力する。
『第5条』
エレベーターの乗り降りのようなわずかな時間でも、部下とのコミュニケーションに努める。
『第6条』
部下の特性を誰よりも詳しく把握する。
『第7条』
部下からの報連相に適切かつ迅速に反応して行動する。
『第8条』
部下を仕事で必ず一人前にして、どこに出しても通用する人間にする。
『第9条』
注意すること叱るべきことは遠慮なく行うが、その意味を必ず伝える。
『第10条』
部下が「自分を認めてくれている」と心の中でわかるように関心を持つ。
『第11条』
上司として人生観・人間観を不断に向上させる。
『第12条』
人を育てることが最上の喜びだと実感するまで諦めない。
(P220〜221)
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あらためて、会社を構成する「人」によって成り立っていることを実感させてくれる一冊。
(2016・1・9読了)