【読書日記】『日本のいのちに至る道』(小柳陽太郎)<その6> | 「そば屋さのあんちゃん、息災け?」

「そば屋さのあんちゃん、息災け?」

稀有な病気をはじめ、人のあまり経験しないことを経験しました。
そんなことを織り込みながら、日ごろの読書を中心に綴っていければと思います。

『日本のいのちに至る道』(小柳陽太郎)。

 

今回が6つ目の投稿になります。

ここで一旦、区切りをつけたいと思います。

再読する中で、また気づいたことがあれば、「追補」のかたちで、歌やそれにまつわる歴史などをご紹介できればと思います。

 

小柳左門先生から直接伺いました、学生が押し掛ける我が家であったそうです。

それは、管理職への道を選ばず、最後まで国語の教師として教壇に立ち続けられたところにある気がします。

『編集後記』から、小林秀雄が書き記したところをご紹介し、まとめにかえさせていただきます。

これは小柳左門先生から、直接、お伺いしましたが、小林秀雄『学生との会話』という文庫がありますが、その対話イベントの中に小柳左門先生がいらっしゃったとのことです。

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小林秀雄『本居宣長補記』より。

 

小林氏は、宣長の思想を論ずるにあたって、田中美知太郎氏の「哲學の文章について」という文章に導かれながら、宣長の「言靈」観は、ソクラテスの言葉に対する態度と「しっくり重なり合つてゐる」と、次のように書いています。

 

宣長の言ふ「言靈」について、ソクラテスはどのやうに語つてゐるか。

それを見つけようとすれば、直ぐ見つかる。

-この相手こそ、心を割つて語り合へると見た人との對話とは、相手の魂のうちに、言葉を知識とともに植ゑつけることだ、-「この言葉は、自分自身も、植ゑてくれた人も助けるだけの力を持つてゐる。

空しく枯れて了ふ事なく、その種子からは、又別の言葉が、別の心のうちに生まれ、不滅の命を持ちつづける。-。」

 

この書を手にする方々を通して、小柳先生の言葉が、私達の祖先の言葉が不滅の命を持ち続けることを祈りながら、(後略)。

 

(P350)

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本書は目次を見ると、3つの柱から成り立っています。

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1・教えることと学ぶこと

2・遠きことばを今に

3・日本とは何か-歴史を貫く天皇の存在

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そして、帯にはこうあります。

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著者からの将来に向けたメッセージが、日本人の誇りを呼び覚ます!

本書の底流をなすのは他に比類なき日本の国柄への確信であり、いのち溢れる日本語の魅力に満ちている。

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以下に、この著作集には採録されなかった、小柳先生の著作物をリストしておきますので、ご参考まで。

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〇『歴代天皇の御歌-初代から今上陛下まで二千首』(小田村寅二郎共編)

〇『戦後教育の中で』(国文研叢書)

〇『平成の大みうたを仰ぐ』(j共著)

〇『教室から消えた「物を見る目」、「歴史を見る目」』

〇『嵐の中の灯台』(石井公一郎共同監修)

〇『名歌でたどる日本の心』(編著)

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(2018・7・5読了)

 

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