『翁問答』(中江藤樹/現代語訳・城島明彦)。
なかなか、ありそうでない一冊かと思います。
ようやく、読了できたかな、という思いです。
本来なら、この投稿も中盤部分を書いているかもしくは投稿を済ませている時間のはず。
着手してしばらくすると突如として光回線が落ちます。
光回線の断線?で水入り、数時間、回復まで待たねばならないことも(回復時間が読めません)。
そんな中で、不安と隣り合わせで書いています。
それにしても、最近は光回線の断線状態が頻発しています。
昨晩も投稿直前に落ちて、回復まで時間が首が長くなりすぎるくらいかかりました。
光回線の断線で、予定が狂うことが日常茶飯時となっています。
そう言っている間に、いつ落ちるかわかりませんので、前へ進めます。
近時、陽明学について、ある作家の方の本を中心にして読み進めています。
中江藤樹の評伝も確保できる見通しになりました。
その方の評伝でなければ、との思いで届くのを待っている状態です。
本書は『翁問答』の上巻・下巻について現代語訳したもの、その訳の間に、知っておくべき、あるいは注意すべき用語などを織り込んで収録しています。
訳出部分でされた紙幅が299頁、そのあとに、「あとがき」が収録され、全399頁からなっています。
こうした「古典」の中でも名著と言われるものが刊行されるのは、非常にうれしく思います。
問答形式ですので、ある事柄の問いに関して、中江藤樹が答えるスタイル。
もともとの原著の構成がそうであるため、少しずつ読み進めることも可能かと思います。
「あとがき」(P300~308)にはこうした項目が並んでいます。
中江藤樹について端的に言い表していると思いますので、リストしておきます。
これだけおさえておかれても、本書を手に取る価値はあるかと存じます。
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〇西郷隆盛、吉田松陰とつながる”日本陽明学の開祖”
〇日本で唯一の「聖人」にして「代表的日本人」
〇「修身斉家」の道を志す
〇朱子学から陽明学へ
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この部分が小伝的な役割を果たしているかと思います。
頭の中を交通整理するのに役立つかと思います。
もともとは、「上巻之本」「上巻之末」「下巻之本」そして「下巻之末」ではありますが、各々の「本末」では誤解を招くのではないかという訳者の思いで、「元亨利貞」(『易経』を象徴する言葉)を使用し、上巻を「元の章」「亨の章」、下巻を「利の章」「貞の章」として、訳出しています。
そんな訳出されたものの中から、3つばかりにしぼってご紹介し、まとめにかえたいと存じます。
おおむね引用するのは、中江藤樹が問いに答えた「答え」の部分です。
合わせて、どの項目からのものかも示しておきます。
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「文武両道」(亨の章[上巻之末]より、本書P88~91)
世間は、文と武を大きく心得違いしている。
歌を詠み、詩をつくり、文章を書くことに上達し、人あたりもよくなって、気性が穏やかで繊細な立ち居振る舞いをするのが世間でいう「文」であり、弓馬・兵法・軍法に習熟して気性が猛々しく威厳のある立ち居振る舞いをするのを「武」としてきた。
もっともらしく聞こえるが、本質からはずれている。
文武とは、元来、一つの徳目であって別々のものではないのだ。
天地の造化(万物を育てる働き)は一つの気性のように見えるが、気には陰と陽の区別が存在するように、人が本性と感通することも一つの徳のように見えて文と武の区別があるので、「武を伴わない文」は真実の文とはいえず、「文を伴わない武」は真実の武ではないのである。
陰は陽を生む根となり、陽は陰を生む根となるように、「文は武の根」となり、「武は文の根」となるのである。
(後略)
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「艮背敵應にして意必固我」(貞の章[下巻之末]より、本書P246~248)
(前略)
聖人の心は、いわゆる「艮背敵應にして意必固我(我意・期必・固執・我執)」がないのである。
つまり、あらゆることに無私無欲で柔軟に対応し、自分の意見を押し通したり強調しようとする私心というものがないから、富貴貴賎とか死生禍福といったことや、それ以外の世の中のすべてのこと、大小高低、清濁美醜といった点に対して、好き嫌いで選び分けようとする心情がまったくなく、全身全霊に一貫しているのは「皇極の神理」(不偏不党の神聖な天理)だけである。
(後略)
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「人を感化したいなら藤樹に学べ」(本書P302・303)
藤樹が十一歳の時に学んだ中国の古典『大学』の一節。
「典史より以て庶人に至る。一に是身を修むるを以て本と為す」(天子から庶民に至るまで、人としての第一の生き方は、身を修めるを基本とする)
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(2018・5・3読了)
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