《英国2大プロモーション対抗戦!クィーンズベリー5VS.マッチルーム5》サウジA/No.1455 | ◆ ボクシングを愛する猫パンチ男のブログ ◆

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ー英国2大プロモーション対抗戦ー
《QUEENSBERRYVS.MATCHROOM

開催日:6月1日(日本時間2日)
開催地/会場:サウジアラビア・リヤド/キングダム・アリーナ




❶▼《ヘビー級12回戦》
WBC7位/元WBC世界ヘビー級王者
デオンテイ・ワイルダー(38=O/USA)M
VS.
前WBO世界暫定ヘビー級王者/WBO2位
チャン・ツィーレイ(張志磊/41=S/CHN)Q

〈試合経過〉
序盤はお互い警戒気味のスタートもチャンの左ストレートがヒットし出す。ワイルダーは手数がない。4回終了時点でワイルダーは右ストレートを繰り出したが浅くチャンの左ストレート、右フックの見栄えがいい。

迎えた5回、ワイルダーがようやく右ストレートをヒット、ここで更に攻勢をかけようとした瞬間チャンの右フックがヒットするとワイルダーが仰け反る。チャンがここぞと再び右フックを浴びせるとワイルダーはついに仰向けダウン。ワイルダーは間を置き立ち上がったが足元を揺らす姿にレフェリーは試合を止めた。

ーTKO・5回1分51秒ー

チャンがこの勝利でヘビー級トップ戦線に生き残った。
チャンは今年3月8日、保持していたWBO世界ヘビー級暫定王座の2度目防衛戦で元WBO王者ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)と対戦して12回0ー2(2P/4P)の僅差判定負けで暫定王座から陥落していた。今回の勝利で再び王座を狙える位置を守り切った形だ。現在の世界ランキングはWBO2位、IBF8位、WBC9位。アジア人で唯一ヘビー級のトップ戦線に絡むチャンは41歳にして何処まで暴れ回るのか今後に注目です。

ワイルダーはかつての勢いも失せて破れ去った。
WBC王者時代は10度防衛するなどスターぶりを存分に発揮したが2022年2月22日の11度目防衛戦でタイソン・フューリー(英国)と対戦して7回TKO負けで王座から陥落、再戦でも11回KO負けするなど連敗。もうこの頃から下降線を辿っていた。
再起には成功したものの去年12月23日、元WBO王者ジョセフ・パーカーと対戦して12回0ー3(12P/8P/7P)の大差判定負けからまたしても連敗となった。今回試合前のインタビューでは「2度の連敗はプライドが許さない。グローブを吊す覚悟で臨むだけだ!」と語っていたことから引退でしょうか。しかし、月日が経てば引退撤回して再びリングに戻ることもなくはないでしょう。

【両選手の戦績】
★デオンテイ・ワイルダー/48戦43勝(42KO)4敗1分
★張 志磊/30戦27勝(22KO)2敗1分






❷▼《IBF世界ヘビー級暫定王座決定戦》
前WBA世界ヘビー級王者/WBA3位・IBF4位
ダニエル・デュボア(26=O/GBR)Q
VS.
IBF1位・WBO5位/元IBFインターN同級王者
フィリップ・フルゴビッチ(31=O/CRO)M

〈試合経過〉
序盤はフルゴビッチが右ストレートから接近すると右アッパーなどで攻勢を強めるとデュボアはワンツー、左フックで対抗する。
以降もフルゴビッチの左右攻勢で回を重ねた。
6回までは右ストレートを連発するフルゴビッチがポイントでデュボアに差を広げたように映った。
しかし、7回打ち疲れのスタミナ切れか動きの鈍ったフルゴビッチにデュボアが圧力をかけロープに追い込んで連打から右ストレートを浴びせるとダウン寸前もフルゴビッチはゴングに救われた。
フルゴビッチは両目上をカット。

迎えた8回、序盤デュボアの連打に後退するフルゴビッチは左目腫れとカットでレフェリーは試合途中でストップしてドクターチェックを促す。結果ドクターは続行は危険と判断、試合終了となった。

ーTKO・8回57秒ー

デュボアがIBF世界ヘビー級暫定王座を獲得した。
去年8月26日の3団体統一の失敗から再起2連勝と勢い付けた。
デュボアは2敗(ジョー・ジョイスに10KO負けとオレクサンドル・ウシクに9回KO負け)しているがとことん打ち合ってのもので仕方ない。若さ故、防御そっちのけで打ち合うのがたまに傷と言ったところ。ただ、その左右に秘める強打ぶりは折紙付きだ。
これまでWBA世界ヘビー級暫定王座と同WBA正規王座に就いて短命王者に終わったが今回充分経験を生かした攻撃だった。
再び正規王座に挑めるか注目です。

無敗で臨んだクロアチア期待のフルゴビッチは暫定王座獲得に失敗して初黒星となった。2022年8月20日、今回同リングに登場したチャン・ツィーレイ(CHN)とIBF世界ヘビー級王座挑戦者決定戦で初回ダウンを奪われたものの怒涛の攻めで巻き返した末、12回3ー0(2P/2P/1P)差の逆転勝利。その技巧と強打を持ち合わせる戦いぶりは高く評価されていた。
今後はスタミナ配分が課題でしょう。

【両選手の戦績】
★ダニエル・デュボア/23戦21勝(20KO)2敗
★フィリップ・フルゴビッチ/18戦17勝(14KO)1敗





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※対抗戦外
▼《WBA世界Lヘビー級タイトルマッチ》


当初は3団体統一王者アルツール・ベテルビエフ(RUS)との4団体統一戦の予定だったがベテルビエフが膝負傷で延期となった為、急遽保持するWBA王座の防衛戦として組み込まれた。

WBA世界Lヘビー級王者
ドミトリー・ビボル(33=O/RUS)M
VS.
IBF世界同級2位
マリク・ジナド(30=O/LBA)Q

〈試合経過〉
初回、ビボルが左フックでジナドから早くもダウンを奪う。ジナドが立ち上がって再開するとまだ時間はあったがビボルは無理には畳み掛けはせずゴングとなった。
その後も3回〜4回とビボルが左ジャブから右ストレートでコントロールする展開。
5回、ジナドがようやく右ストレートを浴びせるとビボルに効いた様子はない。

迎えた6回、ジナドの左ジャブにビボルがワンツーを打ち込むとジナドは後退、コーナーに詰まったジナドに追撃連打から更にワンツーを打ち込むと全く手が出ないジナドにレフェリーが割って入り試合を止めた。

ーTKO・6回2分6秒ー

ビボルがWBA世界Lヘビー級王座の14度目(暫定王座2度防衛含む)の防衛に成功した。相手が変更となっても問題にしなかった。これまで9連戦は判定勝ちで6年3カ月ぶりのストップ勝ち。
次戦は延期となっているアルツール・ベテルビエフとの4団体王座統一戦が楽しみです。

無敗で挑んだジナドは世界初挑戦も王座獲得ならず。
IBF世界2位でKO率も高いが実力者との対戦数のなさに差が出てしまった。ジナドはこの初黒星を経験にどこまで進歩できるか。

【両選手の戦績】
★ドミトリー・ビボル/23戦23勝(12KO)無敗
★マリク・ジナド/23戦22勝(16KO)1敗





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❸▼《WBCミドル級シルバー王座TM》
&《WBC世界ミドル級王座挑戦者決定戦》

WBCミドル級シルバー王者
WBO世界ミドル級1位・WBC2位

ハムザ・シーラーズ(25=O/GBR)Q
VS.
WBA世界同級3位
オースティン・ウィリアムズ(28=S/USA)M

〈試合経過〉
序盤戦シーラーズは左構えウィリアムズに左ストレートを貰い危ない場面もあった。しかし、シーラーズは左ジャブから右ストレートが決まり始めると挽回。その後も接近してアッパーを突き上げるなどポイントでウィリアムズに差をつけた。
10回、終盤シーラーズの右フックでウィリアムズがダウン。しかし、ここはゴング。

迎えた11回、シーラーズの右ストレートでウィリアムズがグラつくと更に追撃右アッパーから左フックでウィリアムズが後退したところでレフェリーが試合を止めた。

ーTKO・11回45秒ー

シーラーズがWBC世界ミドル級王座の挑戦権獲得に成功するとともにWBCミドル級シルバー王座の4度目防衛に成功した。
この勝利でいよいよWBC世界ミドル級王者カルロス・アダメス(ドミニカ共和国)への世界初挑戦となるか注目です。

無敗で挑んだウィリアムズはWBC王座挑戦権及びWBCシルバー王座獲得に失敗。序盤はなかなかいい攻めを見せたが続かなかった。初黒星となったウィリアムズは出直しです。

【両選手の戦績】
★ハムザ・シーラーズ/20戦20勝(16KO)無敗
★オースティン・ウィリアムズ/17戦16勝(11KO)1敗








❹▼《WBA世界フェザー級タイトルマッチ》
WBA世界フェザー級王者
レイモンド・フォード(25=S/USA)M
VS.
WBA世界同級8位
ニック・ボール(27=O/GBR)Q

〈12回採点結果〉
115ー113(フォード)
113ー115(ボール)
113ー115(ボール)

ボールが2ー1のスプリットも判定勝ちでWBA世界フェザー級王座を獲得した。ボールは今年3月8日のWBC世界フェザー級王者レイ・バルガス(メキシコ)に世界初挑戦したが12回1ー1の微妙な引き分け判定で王座獲得はならなかった。
今回団体は違うが2度目世界挑戦で王座を手にした。

フォードは今年3月2日、WBA世界フェザー級王座決定戦で手にした王座の初防衛に失敗した。わずか3カ月の短命王者に終わったが、果たして契約上で再戦はあるのか・・・

【両選手の戦績】
★レイモンド・フォード/17戦15勝(8KO)1敗1分
★ニック・ボール/21戦20勝(11KO)1分無敗








❺▼《Lヘビー級12回戦》
WBA世界Lヘビー級6位
クレイグ・リチャーズ(34=O/GBR)M
VS.
WBO世界同級9位
ウィリー・ハッチンソン(25=O/GBR)Q

〈試合経過〉
序盤戦〜中盤戦はハッチンソンが手堅く攻めてリチャーズをリード。終盤戦はリチャーズが追い上げたもののハッチンソンが上手く躱してゴングとなった。

〈12回採点結果〉
116ー112(ハッチンソン)
117ー111(ハッチンソン)
119ー109(ハッチンソン)

ハッチンソンが3ー0大差判定勝ち。
この勝利でランキング上昇可能性大でしょう。

リチャーズはランキング上も4敗目を喫した。
次戦は勝たなければランキング外も予想される。

【両選手の戦績】
★クレイグ・リチャーズ/23戦18勝(11KO)4敗1分
★ウィリー・ハッチンソン/19戦18勝(13KO)1敗

英国2大プロモーション対抗戦のクィーンズベリー社とマッチルーム社による5VS5戦はクィーンズベリー組が5ー0の全勝で制した。マッチルームの勝利は対抗戦外だったドミトリー・ビボルのみに終わった。