【12月開催】欧州Sミドル級王者が元世界王者と対決!ケビン・レレ・サジョ/仏/No.1412 | ◆ ボクシングを愛する猫パンチ男のブログ ◆

◆ ボクシングを愛する猫パンチ男のブログ ◆

ボクシングの一寸先は闇だが一瞬にして栄光を掴む!

★ ★ ★ 🖥 PC版でご覧ください!★ ★ ★


《EBU欧州Sミドル級タイトルマッチ》
開催日12月2日(日本時間3日)
開催地/会場:フランス・マルセイユ/パレ・デ・スポール




EBU欧州Sミドル級王者
ケビン・レレ・サジョ(33=O/FRA)
VS.
元WBA世界Sミドル級正規王者
ジョバンニ・デ・カロリス(39=O/ITA)


20数年前のスーパーミドル級(72,57kg〜76,20kg)は全ヨーロッパ地域(旧ソ連邦地域も含む)の選手が4団体世界ランキングの半分以上を占めていた時期だった。
この頃には実質4団体Sミドル級統一王者で最強と呼ばれた途轍もない強さのジョー・カルザゲ(英国)が君臨していて米国人選手も8人挑戦したが5人はKO負けで3人は大差判定負けするなど敵う相手ではなかった。この頃のカルザゲの強さは今でも語り草となっている。同時期には2団体統一王者のスベン・オットケ(ドイツ)や少しあとに2団体統一王者のミッケル・ケスラー(デンマーク)なども世界中のボクシングファンを熱狂させていた。
しかし、最近この階級は米大陸出身者が多く王座にも就くなど4団体世界ランキングには以前ほどヨーロッパ人選手は多くない。
では何故、ヨーロッパ地域の選手が減ったかというのには理由があるのだ。7、8年前だったか日本の某スポーツ紙に特集記事があり読んで納得するしかなかった。この時期はヨーロッパで総合格闘技の人気が高まり英国・ドイツ・フランス・イタリア・スペインなど総合格闘技団体が国際式ボクサーに規制を無視して選手を募った訳ではなかった。ミドル級やSミドル級の選手が自ずと集まり世界ランカーを含め僅か2年余りで100数十人が大挙して総合格闘技界へと転向したとあった。重量級と中量級に挟まれたこの階級が重量感とスピード感を兼ね備えて総合格闘技には打って付けの階級と重宝されたのだ。ただその大量転向の真相は単純にファイトマネーがボクシングより2倍〜3倍も手っ取り早く稼げるからだとされた。当時、英国やドイツの大物プロモーターは有望選手の相次ぐ転向は興行的にも影響が出て頭を悩ませていると報じられた。
素人考えでは単純に新興格闘技並みにファイトマネーを上げればいいと考えがちだが興行数が圧倒的に多く諸経費で興行が成り立たないらしい。現在でもヨーロッパ地域の国際式選手の総合格闘技転向(国際式との掛け持ち含む)は後を絶たないという。
どうりで総合格闘技のヨーロッパ出身者戦歴を見ると国際式ボクシング経験者が多く存在していることが判った。まあ、ボクシングファンにとっては寂しい限りですが。
しかし、それでもヨーロッパには国際式ボクシングにこだわる選手もいて突如として世界に翔けそうな選手も出現するのだ。

〈EBU欧州王者 ケビン・レレ・サジョ〉
レレ・サジョは2017年6月17日にデビューして14連勝全KO無敗としたこの間、自国のフランスSミドル級王座、WBAインターコンチネンタルSミドル級王座も獲得するなど注目され始めていた。その後も負け知らずの連勝で20戦全勝(18KO)無敗でこの間もEBU欧州Sミドル級王座、WBOインターコンチネンタルSミドル級王座と立て続けに王座を獲得している。
ここ5試合を見ると決して楽な相手ではない無敗ホープや世界ランキング入り間近とされた相手にKO勝ちするなどその実力は本物だと評価されていた。直近の今年5月28日に行われたWBOインターコンチネンタルSミドル級王座決定戦では20戦19勝(14KO)1敗のスベン・エルビル(ドイツ)と戦い左右連打で畳み掛け7回TKO勝ちで難なく王座を獲得した。
ただこの階級では180cm台が多い中、レレ・サジョは173cmと非常に小柄だ。しかし、試合動画を観た限りでは小柄な体格ながら180cm以上もありそうな相手にグイグイ圧力をかけ放つ左右は破壊力があって豪快そのものだった。現在世界ランキングもWBC8位、IBF8位、WBO11位と世界挑戦可能の位置にいる。
そして、今回184cmもある元世界王者に勝利となれば来年中の世界挑戦も夢ではなくなる。

今年5月28日、レレ・サジョがWBOインターコンチネンタルSミドル級王座決定戦でスベン・エルビル(ドイツ)に7回TKO勝ちで王座を獲得したシーンをどうぞ!(2分43秒)




〈元WBA王者 ジョバンニ・デ・カロリス〉
デ・カロリスは28戦目までWBCとIBFの地域王座は獲得していたがメジャー王座挑戦にはなかなか辿り着けていなかった。
しかし、29戦目でようやくチャンスが巡ってきた。
2015年10月17日、当時強打を誇ったWBA世界Sミドル級暫定王者のビンセント・フェイゲンブッツ(ドイツ)への挑戦となった。試合はお互い引かない攻防の接戦となった末、僅かに及ばず12回0ー3(2P/2P/1P)の僅差判定負けで王座獲得失敗に終わった。しかし、その後WBA正規王座が返上された為、再びフェイゲンブッツと王座決定戦に挑むことになった。
2016年1月9日、WBA世界Sミドル級王座決定戦を再びフェイゲンブッツと戦うと今度はデ・カロリスが11回TKO勝ちでリベンジするとともに30戦目にして王座初戴冠となった。
2016年7月16日、防衛戦を同じくドイツ人の若き技巧派として知られたタイロン・ツォイゲと戦うと12回0ー1で引き分けとなり初防衛に成功。これも再戦となり2016年11月5日、ツォイゲと戦うとまさかの12回KO負けで王座から陥落となった。
その後は浮き沈みはあったもののWBCインターナショナルSミドル級王座を獲得して本来の技巧ぶりを取り戻した。
2021年10月2日〜2023年7月1日のリングは5戦全勝(3KO)でWBOインターコンチネンタルSミドル級王座も獲得するなど絶好調だ。果たして、カロリスは39歳にしてEBU欧州王座獲得成るか。

昨年5月13日、デ・カロリスが同国のWBOインターC同級王者ダニエレ・スカルディナに5回TKO勝ちで王座を獲得したシーンをどうぞ!(35秒)


【両選手の戦績】
★K・レレ・サジョ/20戦20勝(18KO)無敗
★G・デ・カロリス/44戦33勝(16KO)10敗1分