◆度々、井上尚弥を挑発するギジェルモ・リゴンドーには訳がある!/No.1063 | ◆ ボクシングを愛する猫パンチ男のブログ ◆

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      井上を挑発するリゴンドーには訳がある!

昨年12月2日、井上 尚弥(27=大橋)がWBA世界バンタム級王者からスーパー王者に昇格したことに伴い、正規王座は空位となった。
そして、今年2月8日、WBA世界バンタム級正規王座決定戦が行われギジェルモ・リゴンドー(39=CUB🇨🇺)が王座を獲得して2階級制覇に成功した。
その後、リゴンドーはインタビューのたびに"イノウエ"と名指しして統一戦をしきりにアピールしているのだ。
最近もESPNのインタビューで「俺はSバンタム級では最強だった。バンタム級でも最強を証明してみせるよ。ナオヤ・イノウエに劣る要素は何もない。勝って統一すれば、またSバンタム級に戻す計画も立てている」とコメントしている。

リゴンドーが6年前トップランク社に所属していた頃に遡ると社長のボブ・アラムお爺ちゃんに「これまでのようなつまらない試合を続けるなら契約を延長しない」と釘を刺され、結局はアラムお爺ちゃんとの確執も重なってか現実なものとなってしまった。
当時、リゴンドーはWBA世界Sバンタム級王座を7度防衛、WBO王座も2度防衛と活躍していたが、まさかの契約終了にスポーツ紙はこぞって紙面を賑わした。
事の起こりは五輪2連覇で知名度はあってもアマチュアスタイルの戦い振りではプロフェショナルとして面白味がないとファンから揶揄されたことが発端だった。
これまで派手に倒すこともあったが、勝てると察知すればテクニックだけの手打ちで遣り過ごす試合も確かにあった。
ある日のインタビューでは「俺の戦い方に不満があるなら見なけりゃいいんだ。スタイルを変えようなんてさらさらないよ。結論はそれだけだ!」とコメントしている。
今回、リゴンドーの挑発は世界的に評価の高くなった井上がトップランク社と契約したことが気に食わないことに加え、過小評価で放り出された恨みを試合で晴らしたい魂胆なんです。(^O^)

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(Photo by forbes.com)

〈WBA世界バンタム級王座決定戦VTR〉

試合は今年2月8日、コロナウイルス感染拡大前の米国ペンシルベニア州アレンタウンにあるPPLセンターで開催された。
相手は元WBA世界Sフライ級王者で日本にも3度の来日経験があり、特にWBC世界バンタム級王者山中 慎介(帝拳)に挑戦して王座奪取は逃したがダウン応酬の激闘を演じたあのリボリオ・ソリス(VEN🇻🇪)との王座決定戦だった。

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試合はソリスが初回にいきなり左フックでリゴンドーをフラつかせてスタートした。リゴンドーも左で応戦したが、手数が少ない。
2回からリゴンドーも足を使って左ストレートをヒットさせると本来の攻めをみせる。
ソリスは有効打は少ないものの、手数で見栄えがえいい。
5回終了時点でテレビ解説者の採点はソリスが48ー47と僅かにリードした。
7回序盤、リゴンドーが強烈左アッパーでソリスをグラつかせロープに詰めて連打を浴びせると腰を落としかけた。ここでレフェリーは割って入りソリスにスタンディング・ダウンとしてカウントした。しかし、このストップは疑問を投げかけた。
再開するとソリスもクリンチするなどピンチを凌ぐ。
その後はソリスも再びジャブや右ストレートで巻き返して互角以上の展開をみせる。
10回、リゴンドーが左ストレートでソリスの足元を揺らしたが、終盤に突入すると無理な攻めはせずソリスの攻撃を躱す安全運転で最終回を終えた。

しかし、相変わらず観客席からはリゴンドーの攻めが消極的に見えたか、ブーイングは止まなかった。

〈12回採点結果〉
2ー1(116ー111.115ー112リゴンドー/115ー112ソリス)
とスプリット判定ながらもリゴンドーが階級を落としての逆2階級制覇に成功した。

【両選手の戦績】
★ギジェルモ・リゴンドー/22戦20勝(13KO)1敗1NC
★リボリオ・ソリス/38戦30勝(14KO)6敗1分1ND


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(Photo by boxingscene.com)

まあ、リゴンドーはこれまで積極性に欠ける試合も多かったが、打たせないテクニックが持ち味でキャリアを積んできた。
動きは年齢とともに衰えたが、接近しての回転力ある絶妙なパンチの当て勘は健在だった。
まだまだ並みの世界ランカーでは太刀打ちできそうにない。
皮肉にもこれまで無駄な打ち合いを避けた戦いでブーイングを浴びた分、体にダメージが少なく40歳直前でも再び頂点に立った。
井上尚弥との(WBO王者カシメロ戦の勝利条件)統一戦も実現してほしいですが、果たして・・・

それでは、リゴンドーが7回序盤にソリスからスタンディング・ダウンを奪った場面をどうぞ!(51秒)