そろそろ温かくなってきて、
こんな季節になると、思い出す「つくしの佃煮」

子供のころ、河原でビニール袋に大量のつくしを取りに行って
家に持って帰ると、新聞紙の上に広げて
爪の中を真っ黒にしながらつくしの袴取り。
綺麗になったつくしを母はいつも玉子とじにしてくれました。

ちょっとほろ苦いつくしと、甘い卵が絡んで、私の大好物です。



自分が成長して、つくし取りに行かなくなってからは
すっかり「つくし」を口にすることが無くなった頃。

当時勤めていた会社の社長に連れて行かれたオカマバー。

付き出しで出てきた小鉢に入った「つくし」
でも「卵とじ」ではなくて、アメ色に炊いた佃煮。

これが、めっちゃ美味しかった!
あまりにも私が美味しい、美味しいと褒めるから
わざわざ白ご飯まで炊いてくれたオカマのママ。
指先は袴取りで真っ黒になってた。

朝方仕事が終わってから河原まで出かけて、つくし取りに行くらしい。
日焼けしないように麦わら帽子を被ったオバちゃんのようなおっさんが
一人で黙々とつくし取りをしてる姿を想像すると、ちょっと可笑しい。


「こんなに美味しそうに食べてくれると凄くうれしい♪」
「由果ちゃんが来るときは、もっと美味しいもの作ってあげるね!」

その後、そのママにすっかり気に入られてしまった私は
たびたび社長のお供をする羽目になったけど、
行くたびに、佃煮と白いご飯とか、出し巻き卵と炊込みご飯とか
毎日、不規則な生活をしていた私のために
「お袋の味」を堪能させてくれました。

あの「つくしの佃煮」がもう一度食べたい。
そうは思っても、つくし自体がなかなか見つからない。

時々、義父が河原で取ってきたって言ってたけど
昔みたいに、ニョコニョコ頭を出しているわけでなく
なかなか見つからないし、ヒョロヒョロに痩せたのばっかり。

今年は日光浴がてら、自分で行ってみようかな?

母が作った「卵とじ」もオカマのママの「佃煮」も
もう味わうことができないのは寂しいな~。