途中になっていたモロッコ・スペイン旅行記の続きを。。
(この前の記事→■ )
8月14日旅行7日目、コスタ・デル・ソルをあとに、延々と続くオリーブ畑を
眺めながら走り続け、約2時間半ほどで、アンダルシア地方のグラナダに到着。
P。担当の海辺のリゾート巡りは終わり、再びmoca担当のイスラム・アラブの
世界へ。。
(アルハンブラ宮殿 葡萄酒の門)
1492年に陥落するまで約2世紀にわたって、イベリア半島におけるイスラム教最後の
砦として繁栄を極めたグラナダ。
そこには、イスラム建築最高傑作といわれるあまりにも有名なアルハンブラ宮殿が
あります。
「アルハンブラ」とは「赤い城」の意味。
もとは9世紀に築かれた小さな砦でしたが、14世紀までに21人の王たちの手に
よって増改築が繰り返し行われたそうです。
外見は無骨な感じもするのですが、一歩宮殿の中に入ると繊細で幻想的な迷路の
ような世界が広がっています。
グラナダの街を見下ろす丘の上に築かれたアルハンブラ宮殿は、
城塞(アルカサバ)・宮殿(ナスル朝王宮)・離宮(ヘネラリフェ)など
いくつもの建物から成っています。
グラナダでの宿泊は、アルハンブラ宮殿の中にある パラドール・デ・グラナダ 。
元フランシスコ派の修道院を改装したパラドール。
約20年前にも母と共に訪れたことがあり、世界遺産の中に泊まることが出来て
大感激したので、どうしてももう一度泊まってみたかったんです。
(以前 スペインのパラドールについて書いた記事はこちら )
このパラドールには、宿泊者以外の方も入ることが出来ますが、
噴水のあるパティオ(中庭)やイザベル女王の遺体が安置さえていた礼拝堂など、
宿泊者だけが入れる空間もたくさんあり、決して豪華ではないですが、
歴史好きにはたまらない場所です。
7年程前に大規模リニューアルされており、賛否両論(ほとんどが否定的な意見)
あるようです。
確かにかなりモダンな内装になっていました。
重厚でクラシックだった以前の姿を知っているだけに、あまりに変貌した姿に
う~~んて感じ。
でも 仕事を任されたインテリアデザイナーは、ただトラディショナルな建築を
再現するだけでは物足りなかったのかなぁとも思ってみたり。。
パラドールのレストランからは真正面に、夏の離宮ヘネラリフェの糸杉の
小路が見えます。
アルハンブラ宮殿の中の人気の建物を見学するには、チケットが必要です。
パラドール(ホテル)は随分早い時期に予約をしていたのですが、
チケットもインターネットで事前予約をしておいた方がいいのかも…と
気が付いたのが旅行に出発する3週間程前。
広いアルハンブラ宮殿をゆっくり見学するには半日はかかるかもしれない
いうのに、この時点で夕方6時半入場のチケットしか予約出来ませんでした。
夏休みの一番混んでる時期だし、世界中からアルハンブラ宮殿を目指して観光客が
押し寄せてくるから仕方がないか。。と納得。
チェックイン時にはフロントで、チケット予約の紙を確認され、
2時間前には時間厳守で宮殿入口のチケット売場に行くようにと言われました。
時間があまりないので、まずは急いでアルハンブラ宮殿の美しい全姿を見ることの
出来る絶好の撮影スポットであるサン・ニコラスの広場へ。
シェラ・ネバダ山脈を背景にしたアルハンブラ宮殿は本当に美しかったです。
あと数時間であの中に入れるのね~と思うとどきどき。
地元の人でも迷うという迷路のようなアルバイシン地区でお土産を買ってから、
どこかで軽く何か食べようかと見回したら、ちょうどモダンなバルがあったので
入ってみたら…
なんと 思いがけず握り寿司を食べることが出来ました。
かなり日本食に飢えていた私にはとても美味しく感じました。
(味噌スープはいまいちでしたが^^;)
一度パラドールに戻って着替えてから、急いで宮殿入口のチケット売場に行き、
さ~ これから旅のハイライトであるアルハンブラ宮殿を見学しよう!と
事前予約したクレジットカードを機械に通してみたものの入場出来ない…
念の為印刷してきていたチケット事前予約の紙を係りの人に見せてみると
「あなたの予約は無効なので入場することが出来ません」とスペイン語
言ってる様子。。
うそでしょう~
なぜそうなのかわからなかったので、もー茫然。
これでは、ディズニーランドホテルに泊まっていながら、ディズニーランドに
入れないという何とも情けないというかどうしたらいいの~状態。
とりあえずチケットなしでも入れるカルロス5世宮殿(アルハンブラ宮殿の中では
異質)にだけ入ってみたけれど、見学するところがほとんどない。。。
なんとかチケットを手に入れる方法はないものかとiPadでいろいろ調べてみた
ところ、インターネットで予約出来る入場券が完売でも、当日券が2000枚くらいは
ある様子。
でも1年で一番混んでいる夏休みのこの時期、事前予約のチケットを取れなかった
人たちもたくさんいるだろうし、朝8時の当日券販売開始には殺到するだろうから、
チケットが取れるのかどうか。。
しかも私達は翌日11時半にはバルセロナに移動しなければならないので、
午前中それも早い時間のチケットでなければだめなのです。。
なんだかもうアルハンブラ宮殿の中にいるのが辛くなってしまい、
再びサン・ニコラス広場へ。
カフェでヤケジュースを飲みながら、刻々と赤く染めあがっていく
アルハンブラ宮殿をぼーと眺めていました。
私達はあの中に泊まっていながら、王宮や離宮を見ることが出来ないなんて、
何という皮肉。
なんのためにグラナダまで来たんだろう。。
「アルハンブラ宮殿が夕日を受けて赤く輝き、やがて闇に沈むその情景は、
名曲「アルハンブラの思い出」の旋律のように美しく、そしてもの悲しい」と
言ったのは、詩人のロルカ。
夕日を受けて赤く輝くアルハンブラ宮殿の姿は本当に美しくて感動したけれど、
自分たちの今の状況と明日のことを考えると、なんとも悲しい気持ちでいっぱい
でした。
当初の予定では、宮殿内を見学したあとアルバイシン地区でフラメンコを見ながら
夕食もいいね~なんて言っていたのですが、そんな気分にはなれず、
とぼとぼとパラドールに戻りました。
夕食は、ライトアップされたヘネラリフェを眺めることの出来るパラドールの
レストランで。10時から。
食事は美味しかったけれど出るのは溜息ばかり。
写真を撮る気力もなく、何を食べたかあまり記憶にも残らなかったです。
でも日本人が5組もいたのには驚いた。。
宮殿内やパラドールを夜でも早朝でも自由に散歩出来るのが、
パラドール宿泊者の特権。
ライトアップされた厳かな礼拝堂などを見ては回ったものの、前回のように
わくわくする気持ちは沸いてこず…
翌日の朝がいったいどうなるのかが気になってほとんど眠れませんでした。