なぁ、君は、どんな月を見る?
くりーむ色にぼんやり光る優しい月かい?
うす青い空に残る雪みたいな白い月かい?
灰色のあばたみたいなボコボコした汚い表面で
白いモコモコしたヒトがふんわりふんわり飛び跳ねている
月のようなものかい?
それとも、グレースケールの砂漠のような、誰もいない寂しい月かい?
でも、その月は、本当の姿だろうか。
本当の姿が見えているのだろうか。
おい、お前。
お前は誰が見た月なのか?
月なんて実はこの世になくって、
あれは、空のスクリーンに貼られたまあるいシールじゃなかろうか。
本当はお空にぽっかり開いた深い穴で、
誰かが向こうからこっちを覗いているんじゃなかろうか。
君の眼球の表面につけられた、出生の謎を表す傷跡なんじゃなかろうか。
月は月であるとしても、
裏側はえぐれていて空っぽなんじゃなかろうか。
実は球じゃなくって、円柱状の長い長い棒のようなものじゃないだろうか。。。
棒か。
うん、それなら、
突きだな。