合コンでさ、好きな作家は宮沢賢治ですって言うと、モテるらしいぜ。
誠実だけど堅すぎず、かといって少年の心も持ってるみたいなさ。
ふ~ん、そうなんだ。それ、いただき。
「自己紹介タ~イムッ!」
「趣味は読書です。あと、時間あれば、詩を書いたりしてます。
宮沢賢治とか読んでます。」
「えっ、ホントに?アタシ賢治が大好きで、文学科で専攻してるんです。
どの作品が好きですか?」
おっと、そんなに引きがいいとは。そこまでは調査していなかった・・・
何があったっけ。一つも覚えてないよ、そんなの。
ん~と、ん~と。
「まぁ、彼の作品はすべてに味と主張があって、特にどれってことは。。。」
「確かにそうですけど、その中でも、お気に入りがあるでしょ?」
しつこいなぁ。しかし、これはピンチであり、チャンスでもある。
ん~と、ん~と。
あっ、あった。
「風邪引きのゴーシュ」
「うそつき。」