アルマは回復魔技の才能があった。魔技師事務所では事故は頻繁に起こるのだが、一瞬で完治させてしまう。ゆっくりする間も与えない。

「生きてるだけ感謝しなさい。普通は死んでもおかしくないんだから。」

確かに回復専門の魔技師がいないと死者が出るなんてのはよく聞く話だ。でもどうせなら…

「どうせ魔技を使ってもらうならシャウ先輩に、でしょ?」

…。
魔技の研究も魔技師の仕事だ。新魔技が正式に認可されれば国から報酬がでる。キビは様々な案を上司に伝えたが、すでに使われてる魔技だということで却下される。

「しょうがねぇんだって!今や魔技はマイナーなのや秘匿のものを含めると数千種類にもなるんだ!」

バルダックが励ましてくれる。シアンの教えの為か、魔技についての知識は上司にもまさる。

「逆を言えば、まだまだ調べれば使える魔技だってあるんだから、逆にワクワクしてくるだろ。」

キビはその日に事務所にある本を読みあさって、魔技を30種類新たに使えるようになった。
キビは学校を卒業して魔技師になった。同期にはアルマと、何か特殊な経緯で学校を卒業せず魔技師になった奴がいた。同い年なのだから、普通は学校を卒業しているはずであり、また他の仕事からの転職というわけでもないらしい。

名前はバルダック。大魔法使いシアンの弟子であるという話は聞くが、どんな奴なんだろう。