新たな電波をめぐる携帯電話事業者間の免許争奪戦が始まった。総務省は10日、2社への免許割り当てを予定している周波数2・5ギガヘルツ帯の「次世代高速無線通信規格」の免許申請受付を開始した。期限は10月12日。年内に割り当て先が決まる予定で、通信、放送、電機など10社前後が申請するとみられている。
10日時点では、“複数企業連合”で免許取得を狙うNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの各既存携帯電話事業者、単独での申請を予定するPHS(簡易型携帯電話システム)専業のウィルコムは申請していない。各社とも戦略を練り上げ、申請期限直前に申請する見通しだ。
「次世代高速無線通信規格」は、無線ながら毎秒20メガ(1メガは100万)ビット以上と、ADSL(非対称デジタル加入者線)並みのデータ通信速度を実現する技術。総務省は今年5月に免許指針を示し、新規参入の促進に向け、既存携帯事業者は出資比率3分の1以下の新会社しか免許申請できないとの規約を盛り込んだ。
このため、米インテルなどが進める2・5ギガヘルツ帯の国際標準規格「「WiMAX」と呼ばれる技術の単独申請を目指していたドコモ、KDDI、ソフトバンクは免許条件を満たせず、合従連衡に動いた。
いち早くカードを切ったのがソフトバンクで、ADSL大手のイー・アクセスと連携することを決定。また、ドコモはADSL大手のアッカ・ネットワークスと、KDDIも筆頭株主の京セラとの連携をそれぞれ決めた。各社とも「3分の1」の条件を満たすためには3社以上の“連合”を結成しなければならず、ドコモはTBSなどを候補に、KDDIも三菱東京UFJ銀行を連合に呼び入れようと協議している。
ただ3陣営が、いくら「複数企業連合」を形成しても、免許割り当て枠は2社だけ。既に免許割り当ての1社は、携帯電話事業者ではないことから単独で申請できるウィルコムが“当確”と見られている。
残る1つの椅子をめぐる争奪戦の激化は必至。携帯3陣営は、期限ギリギリまでパートナーと事業計画を練り上げる構えだ。
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