古典落語「牛ほめ」
家をほめた方法を、牛にも使った与太郎
今回は、古典落語「牛ほめ」です。
与太郎は、叔父が新しい家を建てたと聞きます。
家をほめれば、何かご褒美をもらえるかもしれない。
そこで、家のほめ方を教わります。
これは結構な御普請。
総体、檜造り。
畳は備後表。
天井板もよい木目。
柱に節穴があったら、秋葉様のお札を貼れば、穴も隠れて火除けにもなる。
与太郎は、教わった言葉を全部覚えました。
叔父の家へ行き、その通りにほめると、叔父は大喜び。
与太郎はご褒美をもらいます。
そこで与太郎は、叔父の牛もほめることにします。
牛のほめ方も教わりました。
天角、地眼、一黒、鹿頭、耳小、歯違う。
難しい言葉を並べ、牛を見事にほめます。
ところが、牛のお尻に大きな穴を見つけました。
家の柱の穴には、秋葉様のお札を貼ると喜ばれた。
そこで与太郎は、牛にも言います。
「ここへ秋葉様のお札をお貼りになるとよろしい」
叔父は怒って、与太郎を追い返します。
家の柱と、牛のお尻は違います。
正しい知識でも、使う場所を間違えれば役に立ちません。
マニュアルやAIの回答も同じです。
覚えた言葉をそのまま使うのではなく、相手と状況を見ることが大切です。
「牛ほめ」は、昔の噺でありながら、今にも通じる古典落語です。