キスからその先は。-16- | もぁらすの遊び場


そのくせこの期に及んでまで、俺は「たぶん」だなんて言葉を誤魔化した。



「ああ、違う。ホントはあの時から、田村のこと忘れた事なんかなかった」



かっこ悪い。


でも、それは事実で、俺にトラウマを植え付けた最初の女は田村なわけだし、


それでも忘れられなくて、




諦めきれなかった。




「また、俺の彼女になって」



「もうっ、……」



そう言って俺の胸に飛び込んできた田村が、「ダメかと思ってました」と、掠れた声を響かせた。



「俺も」



何もかも、取り返しのつかない事になる前に


田村の心を手に入れられて、



良かった。



街灯の下で、恥ずかしげもなく抱き合って唇を重ねる。



幸い、人通りが少なく



抱きしめた腕が、離れない。





「……ぱい、先輩」




ひととき、離れた隙に田村が声を出した。




その唇をまた塞いで、田村の口を封じる。




この甘ったるい唇を離したくなくて。