キスからその先は。-14- 俺が躊躇した瞬間、 田村が駆け足で横断歩道を戻った。横断歩道の信号が赤くなって、俺達の間を車が走り抜けていく。 突然すぎて、身体が動かなかった。 何が起きたのかわからなくて、向こう側にいた田村を見た。 瞳からは、この距離でもわかるくらいの大粒の涙があふれ出ていて、 田村の顔は真っ赤で崩れていた。「ごめん!」俺は、自分の意気地なしな行動を後悔した。「田村、ごめん!」泣かせちゃ、だめだろ、俺