だがしかし、ただの俺様を当麻様と呼ぶ意味がわからない。
私は、はたかれてまだ痛みを感じる手をさすりながら総務課にトボトボと戻っていった
これが、カレが私に与えた、初めの、痛み。
ぴりついた痛みは、なかなか消えてくれなくて。
私の芯に、深く残った。
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「なんですか?あれは」
「当麻様」
淡々と伝票処理をこなしながら聖子先輩がそう答えた
「俺様なのはわかりますけど」
「あなた、バカなの?」
「は?」
まるでわかってない私に、ため息をついた聖子先輩は
「あんた、経営者の名字も知らないの?」
「それくらいしって……」
――あ。
「うっそ」
今さら気がついた私の様子に、呆れた聖子先輩は、二度と私のほうを見てくれなかった
入社時、覚えさせられた役員名簿
代表取締役 当麻修一郎
って、入社時に見た社長は、わりと初老のおじいさんみたいだったけど?